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プロフィール

井上義久

Author:井上義久
衆議院議員(公明党:比例区東北ブロック)富山県富山市出身
東北大学工学部金属加工学科卒業。

現役職:公明党幹事長

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  • 経済再生 潜在力生かせ ~衆議院本会議で代表質問

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1月24日(火)、衆議院は本会議を開き、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行いました。私は公明党を代表して質問に立ち、自公政権の下、近年、日本は生産年齢人口が減る一方で経済成長を実現していると指摘。女性や高齢者の活躍など日本の持つ潜在力を引き出すことで「活力ある日本の未来を切り開くことができる」と強調しました。さらに、成長と分配の好循環を確実なものとし、地方創生や社会保障の安定と充実などの課題に果敢に挑戦することで社会の隅々にまで「希望がゆきわたる」社会の実現を訴えました。

=「関連記事」 質問と政府答弁の要旨はこちら



●経済再生・成長戦略
●働き方改革
●社会保障
●教育支援
●復興、防災・減災
●日ロ関係


【経済再生・成長戦略】

私は、経済成長のけん引力となる技術革新(イノベーション)を少子高齢化や人口減少など日本が直面する課題の解決に生かすという「課題解決型」のイノベーション創出に「重点的に取り組むべき」と提案。高齢ドライバーの事故を防ぐ自動ブレーキの普及などを例に挙げ、設備投資の後押しや新技術を担う人材の育成などを訴えました。

また、地域経済の底上げによる地方創生の実現に向け、地域資源を生かした商品・サービス開発や販路拡大の後押しなどを主張。農業については、収入保険創設や中山間地域の所得向上支援、都市農業の振興を求めたほか、「肥料や農薬など資材価格の引き下げ、流通の合理化などの改革を着実に推進すべき」と述べました。

【働き方改革】

私は働き方改革の一層の加速を訴え、中でも長時間労働の是正については「罰則付きの、時間外労働の上限規制を定める法改正を」と提唱しました。安倍首相は「早期に法案を提出する」と答えました。

また私は、退社から次の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル」の導入に向けた法規制を検討するよう求めました。

非正規雇用の処遇改善では「就職氷河期世代(35~44歳)などに多いとされる不本意な非正規労働者の正社員化を促す必要がある」として、キャリアアップ支援を主張しました。

さらに、政府が昨年末、賃金など正社員との不合理な待遇差の解消に向けたガイドライン案を発表したことを踏まえ、ガイドライン案の実効性確保などを進めて同一労働同一賃金を実現するよう迫りました。安倍首相は関連法案の早期国会提出をめざす考えを示しました。

【社会保障】

医療保険制度改革に関して私は、70歳以上の高額療養費見直しなどが予定されていることから「一人一人の生活実態に即したきめ細かな配慮を」と指摘。安倍首相は、低所得者の医療費自己負担の上限額を据え置いたことなどを説明しました。

このほか私は、低年金者に対する年最大6万円の福祉的給付の早期実施を提案しました。

がん対策では、患者の生存率が上がり、治療と就労の両立が新たな課題になっていることに言及。昨年12月に改正されたがん対策基本法にも、患者の就労支援やがん教育の推進などが盛り込まれたとして、今夏に策定される次期がん対策推進基本計画に法改正の趣旨を反映するよう求めました。

【教育支援】

私は、公明党が奨学金の拡充などに力を入れてきたことに触れ「今後も子どもたちの可能性を開く教育支援を拡充していくべきだ」と強調しました。安倍首相は、公明党の提言を受けて2017年度は無利子奨学金を拡充し、返済不要の給付型奨学金を創設するとして「今後も必要な財源を確保し、教育費負担の軽減に取り組む」と応じました。

【復興、防災・減災】

私は、東日本大震災の被災者が「人間の復興」を成し遂げるまで寄り添い続けるとし、復興加速に向けた決意を改めて強調しました。

また昨年は、熊本地震や台風豪雨などの自然災害が相次ぎ、今後も首都直下地震や気候変動による豪雨被害などが懸念されるとし、「自然災害の脅威から国民生活を守る防災・減災対策の強化は喫緊の課題だ」と訴えました。

石井啓一国土交通相(公明党)は、巨大地震や水害などに対し、ハード・ソフト対策を総動員する必要性に触れ、「災害から国民の命と暮らしを守るため、総力を挙げて取り組む」と答えました。

【日ロ関係】

私は昨年の日ロ首脳会談を踏まえ、共同経済活動の具体化とともに、北方領土の元島民の高齢化に配慮した希望につながる取り組みの実施を求めました。安倍首相は「平和条約締結に向け着実に前進していく決意だ」と応じました。
  • 経済再生で地域活性化 ~本会議で代表質問

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9月28日(水)衆院は、本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説などに対する各党代表質問を行いました。私は、人口減少とそれを上回る高齢化が同時進行する中で、経済や社会保障、地域社会を持続可能なものとしていく必要性を強調。特に景気・経済対策に関しては、経済成長の成果を地方、中小企業、家計にまで届け、着実な「成長と分配の好循環」実現を訴えました。

=「関連記事」 質問と政府答弁の要旨

● 生活密着型インフラ整備
● 時間外労働に上限規制
● 非正規、キャリア形成支援
● 農家安定へ収入保険創設

【アベノミクス加速】

私は、安倍首相が今国会を「アベノミクス加速国会」と位置付け、あらゆる政策を総動員して結果を出す強い決意を示したことに賛意を表明。経済再生へ「成長と分配の好循環をより確実なものにしなければならない」と主張しました。

【豪雨被害】

今夏の台風による豪雨被害について私は、公明党は発災直後から国会議員と地方議員が連携して現場を調査したことに言及。特に東北は、震災復興の途上で追い打ちをかける被害となり、「ソフト・ハードの両面から、適切な支援策を迅速かつ、きめ細やかに実施すべき」と力説しました。安倍首相は「被災者に寄り添い、できることは全て行う方針でスピード感を持って全力で取り組む」と答えました。

【景気・経済】

経済発展に向け私は、中小・小規模事業者の成長が不可欠であり、技術革新と新しい産業革命や、観光戦略の推進が重要と指摘。今年度第2次補正予算案には生活密着型のインフラ投資策が盛り込まれたとし、「古くなった水道管の漏水は早急な対応が必要で、地方や中小企業が主役となる投資策だ」と評価しました。

【働き方改革】

長時間労働の是正について、私は「ワーク・ライフ・バランスや健康保持の観点からも、思い切った労働時間法制の見直しが必要」と迫り、時間外労働の上限規制を設けることなどを提案。また、非正規労働者の待遇改善について、同一労働同一賃金の実現や、キャリア形成支援の強化を求めました。

【無年金者対策】

公明党が無年金者対策として強く主張してきた、年金受給資格の取得に必要な期間を25年から10年に短縮することについて、私は、「年金を受け取れる人のすそ野が広がる大きな改革だ。2017年度の早い段階で、確実に実施すべき」と強調。

安倍首相は「多くの人々が間違いなく年金を受け取れるよう対応に万全を期すため、来年8月施行とし、10月から確実に受け取れる予定だ」と応じました。

【TPP】

私は、「環太平洋連携協定(TPP)の承認とともに、『総合的なTPP関連政策大綱』に基づき、国内対策を着実に実行することが重要」と指摘。公明党が訴えてきた農家の安定経営を下支えする収入保険制度の創設など具体策について聞きました。

安倍首相は「公明党とも緊密に連携しつつ、年内を目途に改革プログラムを取りまとめる」と答えました。

【外交・安全保障】

北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射について、私は政府に厳しい対応を求めました。また、安倍政権の下で着実に前進する日中、日韓の関係改善の流れを「年内に日本で開催予定の日中韓サミットへつなげるべき」と指摘。北方領土問題の解決に向けて、ロシアとの議論加速も訴えました。

【復興、防災・減災】

東京電力福島第1原発の廃炉について私は、「正確な情報を発信し続け、県民、国民の理解を得ながら安全に進めることが重要だ」と強調。防災・減災では、相次ぐ大規模水害対策として、迅速な初期対応を可能にするための専門家確保などを訴えました。
  • 経済再生し「総活躍」実現 ~本会議で代表質問

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1月27日(水)、衆院は本会議を開き、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行いました。私は、賃上げなどによる「経済の好循環」の加速で経済再生を確実にし、一人一人が自己実現できる「1億総活躍社会」を築く必要性を強調。東日本大震災から丸5年を前に、「人間の復興」へ「被災者と共に闘い続ける」との決意を語りました。

=関連記事 「質問と答弁要旨」

中小企業  生産性向上へ支援必要
医  療   必要な病床は確保せよ
がん対策  離職を防ぐ就労環境に
防災・減災 「国民会議をつくる」国交相が明言


【経済再生】

私は、確実な経済の好循環へ「政策の総動員が必要」と力説し、地方や中小企業でも賃金上昇を実現するため、収益拡大や生産性向上などに向けた支援策の強化を要請。安倍首相は「中小企業の収益が拡大する環境の整備に取り組む」と応じました。

【農林水産業】

環太平洋連携協定(TPP)による影響が懸念される農林水産業について、井上幹事長は「経営安定対策や体質強化対策などを着実に実行し、生産者の声にきめ細かく対応すべき」と主張。安倍首相は「現場の声に耳を傾けながら政策を講じる」と述べました。

【軽減税率】

消費税の軽減税率について、私は、導入前に安定的な恒久財源を確保するとの与党の方針に言及。「社会保障が削られる」との批判には「その心配はまったくない」と強調し、見解を聞きました。安倍首相は「社会保障と税の一体改革における2.8兆円程度の社会保障の充実に必要な財源を確保していく」と述べ、すでに決定している社会保障の充実を削る考えはないことを表明しました。

【子育て・介護】

私は、政府が「1億総活躍」への目標に掲げた「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」に関して、子育てと親の介護が重なるダブルケアの問題を取り上げ、「仕事との両立を可能とする『働き方改革』が不可欠」と力説しました。

【医療・がん対策】

各都道府県が策定する「地域医療構想」について私は、必要な病床確保へ「実効性ある計画策定が必要」と指摘。地域で医療や介護などのサービスが受けられる「地域包括ケアシステム」との一体的な取り組みの重要性を訴えました。

がん対策では、第3期「基本計画」策定に当たり、公明党の主張で実現した「がん登録」のデータ活用を主張。検診受診率向上や緩和ケアの普及、離職を防ぐための就労支援の充実などを求めました。安倍首相は「がんになっても安心して暮らせる社会の構築へ、がん登録のデータを活用しつつ対策を進める」と答弁しました。

【復興、防災・減災】

復興加速に関して私は、水産加工業などの再興へ、販路開拓やノウハウ提供を「官民連携で支援することが必要」と主張。

防災・減災では、インフラの老朽化対策を通じて「メンテナンス産業の育成や建設産業の担い手確保につなげよ」と訴えました。石井啓一国土交通相(公明党)は、来年度、産学官連携で老朽化対策を進める「インフラメンテナンス国民会議を創設する」と表明しました。

【外交、安全保障】

私は、今年、日本で開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や日中韓サミットの開催について「国際社会をリードするチャンス」と強調。平和安全法制に関しては、「運用のプロセスを通じて安全保障上の備えに万全を」と求めました。
  • 衆議院本会議で代表質問

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2月17日(火)、私は、衆議院本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する代表質問を行いました。「経済の好循環」実現や東日本大震災からの復興加速へ、「日本の将来を見据えながら改革を前に進める」と決意を表明させていただき、社会保障の充実によるセーフティーネット(安全網)の強化や正規雇用の拡大、教育機会の均等などあらゆる施策を通じ、「格差・貧困の解消に引き続き取り組む」と訴えました。=関連記事、質問と答弁要旨

中小企業の外形標準課税慎重に
仙台市で防災会議の定期開催を
保育、介護人材の処遇改善急げ
難病対策進め、がん検診啓発も


【経済再生】

政労使が協力して賃上げを促す取り組みを訴えるとともに、中小企業・小規模事業者が円安による原材料価格の高騰に苦しんでいることから、下請け企業に対する取引価格の適正化を主張。また、資本金1億円超の企業を対象とした外形標準課税のあり方について、地域経済や企業経営への影響を踏まえて慎重に対応すべきと指摘した。首相は「慎重に検討を行う」と答弁しました。

【地方創生】

2015年度予算案で地方創生に必要な経費が計上されていることに触れ、税制面などを含め、「ローカル(地方)経済圏」の活性化に取り組むよう要望。少子高齢社会に対応したロボット技術の利活用を進めることも求めました。

公明党が重点的に取り組む施策として、▽地域しごと支援▽大学生らの地方定着の推進▽生活サービス施設を集約化した「小さな拠点」の形成―など5分野を挙げた。また、誰もが生涯現役として生きがいにあふれた生活を営む「活動寿命」を延ばすべきとし、「『ひと』が主役の地域社会の構築こそが真の地方創生だ」と主張しました。

【農林水産業】

農協改革をめぐる関連法の改正に当たり、農協の自己改革を妨げず、改革の目的である農業所得の向上や地域活性化につなげるため、農業者の意見を十分踏まえて検討するよう求めました。首相は「担い手と地域農協が創意工夫を発揮してブランド化や海外展開などを行うことで所得向上につなげる」と答えました。

【復興・防災】

東日本大震災からの避難によって人口が減少した影響などで、被災自治体に対する普通交付税の配分額が減るとの懸念について私は、「実態に即した対応措置を検討すべき」と訴えました。首相は「被災自治体の財政運用に支障が生じないよう、しっかり検討する」と答えました。

一方、、避難住民の帰還を促進する交付金の創設や、健康面の不安を解消する相談体制整備の支援策が盛り込まれた福島復興再生特別措置法改正案の早期成立を求めました。

このほか、仙台市で来月開かれる国連防災世界会議を契機とし、世界の防災関係者が2年に1回程度、仙台市に集う「仙台会議」の開催を提案しました。首相は、「防災の主流化を定着させるため、提案も踏まえ、よく検討したい」と応じました。

【社会保障】

子ども・子育て支援として、保育士の賃金引き上げなどの処遇改善や待機児童解消などを主張。難病対策では「総合的な支援体制の確立が必要だ」と訴えました。

介護保険制度の見直しについては「地域包括ケアシステムの構築が急務だ」と力説し、介護人材の確保と処遇改善を求めたほか、介護報酬改定を踏まえ、小規模事業者への適切な対応を求めました。がん対策では、検診受診率目標の50%達成や患者の就労支援、がん教育の全国展開などを訴えました。

首相は、難病対策の拠点病院の整備など医療体制の確保や、がん検診受診率50%達成に意欲を示しました。

【安全保障】

安全保障法制の整備に当たり、基本方針を定めた昨年7月の閣議決定や衆参予算委員会における首相と内閣法制局長官の答弁に沿って進めるべきと強調。首相は「与党としっかり相談しながら、万全の法案準備を進める」と述べました。このほか私は、12月の温暖化対策を話し合う国際会議(COP21)に向けて、野心的な温室効果ガス削減目標の検討なども訴えました。
  • 衆院代表質問(要旨)

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公明党の政治姿勢

安倍内閣が発足して2年。昨年末の衆議院選挙において、公明党は、国民の皆さまから多大なご支持をいただき、引き続き、連立与党として国政に携わる重責を担うことになりました。

「一人ひとりに成長の恩恵が行き渡る『経済の好循環』の実現」「被災された方々が当たり前の日常生活を取り戻すための東日本大震災からの復興の加速」「人口減少・超高齢社会の中で、地域で暮らし、皆で支えあう安心の社会保障の確立」。そして、「貧困、暴力、戦争・テロのない世界の実現に向けた日本の国際貢献のあり方」など多岐にわたります。

公明党は、今日まで「平和の党」として、また、大衆の中から生まれた政党として、生活者とりわけ社会的に弱い立場の人々に寄り添い、政治を前に進めてきました。この政治姿勢は、これからも変わりません。

最近、社会全体における格差の拡大や貧困の固定化が指摘されています。社会保障の拡充によるセーフティーネットの強化や正規雇用の拡大、再チャレンジ可能な雇用対策の強化、さらには教育機会の均等など子どもの貧困対策の拡充等々、あらゆる施策を通じ、格差・貧困の解消に、引き続き取り組む決意です。

テロ対策の強化

イスラム国と称するテロ集団による卑劣なテロ行為により、日本人2名が殺害されたことは、誠に痛恨の極みであり断じて許すことはできません。衷心より哀悼の意を表するとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。こうした悲劇が繰り返されないよう、国際社会と連携したテロ対策の強化とともに、国内外の日本人の安全確保に万全を期さなければなりません。

在外公館等を通じた情報収集能力の強化や在外日本人の安全確保対策、日本人学校等の警備体制強化など、人命第一に対策を講じることが求められます。国内でも、テロリストの入国を阻止する水際対策や標的となり得る重要施設の警備強化、サイバーテロへの対処能力の向上などの取り組みを急ぐよう求めます。


経済再生

日本経済は、安倍内閣が進めてきた経済政策により、雇用や企業収益を中心に、着実に好転してきています。

他方、家計は、賃金の上昇が物価上昇に追い付かず、結果、実質賃金が低下。企業でも、特に内需依存型の中小・小規模事業者は、円安による原材料価格の高騰などで苦しんでいます。

“家計へ、中小企業へ、地方へ”と「経済の好循環」を行き渡らせる―これが、経済再生を成し遂げるための大きなカギであり、今年はその正念場です。

まず、大事なことは、景気回復を確実に家計に波及させることです。そのためにも、賃金上昇の流れを継続させることが重要です。政労使が一致協力し、企業収益の増加を雇用の拡大、賃金上昇へとつなげるよう強く期待します。

雇用の7割を占める中小企業・小規模事業者の振興・生産性の向上に向けて、「人材」の確保・育成や新たな商品・サービスの開発促進、販路の拡大など戦略的な政策展開が必要です。下請け企業に対する取引価格の適正化など、経済界の取り組みも欠かせません。

来年度税制改正において、大法人を中心に、法人実効税率を2.51%引き下げ、さらに再来年度以降も引き下げ幅を上乗せすることとしています。その財源確保に関連して、外形標準課税の適用対象法人のあり方については、地方経済や企業経営への影響を踏まえて、慎重に対応すべきです。

また、地方の活性化のためには、地域経済を支える「ローカル経済圏」に焦点をあてることが必要です。

来年度予算案では、地域の実情に応じたきめ細かな施策が展開できるよう、地方創生に要する経費として約1兆円が地方財政計画に計上されています。これを含め予算、税制、金融等あらゆる面で、「ローカル経済圏」の活性化に取り組むよう求めます。

また、成長戦略に関し、ロボット技術は、少子高齢社会・働き手の減少などの課題に対して、生産性の向上や人手不足の解消、社会の利便性の向上などに資するものとして大きな期待が寄せられています。

とりわけ、今後ますます需要が増大する医療・介護をはじめ、震災復興や防災、特に道路や橋のメンテナンスなど、製造現場から日常生活のあらゆる場面でロボットの利活用を促すことが重要なカギになります。

そのため、政府においては規制改革やルール作り、公的機関での先行的な導入など、ロボット革命の実現に向けた政策に取り組むべきと考えます。


地方創生の取り組み

昨年12月、政府は「まち・ひと・しごと創生」にかかる長期ビジョンと総合戦略を策定し、地方創生に向けた本格的な取り組みがスタートしました。

今後、各自治体が地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定し、地方創生に取り組むことになりますが、大事なことは、担い手である「ひと」が要であり中心でなければならないということです。

そこで公明党は、本格的な地方創生のスタートにあたり、どこまでも「ひと」に視点をおいて、まずは、以下五つの分野に重点的に取り組みたいと考えています。

第一は、地域しごと支援事業です。

地域に必要とされる「ひと」を還流させるため「地域しごと支援センター」を整備し、地域のしごとと生活情報を一体的に提供しながら、魅力ある「しごと」を作り、必要な「ひと」づくりを進めなければなりません。

第二は、都市と農村の「ひと」の交流事業です。

公明党はかねてより「子ども滞在型農山漁村体験教育」の取り組みを推進してきました。こうした施策を含め都市と農村との「ひと」の交流を活発化することで、一時滞在から継続的な滞在、場合によっては二地域居住、そして移住・定住へと人の流れが生まれるものと確信します。

第三は、大学生等の地方定着の推進です。

それぞれの地域で必要とする人材を確保するため、地方大学などへの進学、地元企業への就職、さらに都市部の大学等から地方企業への就職を促進することが必要です。このため、無利子奨学金の地方創生優先枠の設定や、必要に応じ、奨学金返済の免除など大胆な政策を行う必要があります。

第四は、「日本版ネウボラ」の推進です。

フィンランドでは子ども・家族のための切れ目のない支援体制、いわゆる「ネウボラ」が地域の拠点として整備されています。わが国においても、妊娠から子育て期までの包括的な支援として、「子育て世代包括支援センター」のモデル事業がはじまっていますが、これを全国展開すべきと考えます。

第五は、「コンパクト+ネットワーク」の推進です。

富山市などの先駆的事例から学びつつ、既存の施設などを有効活用しながら、医療・福祉・商業等の都市機能を“まちなか”に誘導するコンパクトシティの形成と地域公共交通ネットワークの再構築を進めるべきです。

また、中山間地域等においては、商店や診療所など生活サービス施設を一定のエリア内に集め、周辺集落とコミュニティーバスやデマンド交通等のネットワークで結ぶ多世代交流・多機能型の「小さな拠点」の形成が「ひと」が暮らす持続可能な地域づくりに不可欠と考えます。

以上、公明党は、国会議員と地方議員のネットワークを生かし、本格的な地方創生の取り組みを開始してまいります。

地方創生は、あくまでも地方の自主性が第一です。一方、地方創生を成功させ、より良いものとしていくためには、国との連携および国からの支援が不可欠であり、的確な情報支援や人的支援、さらに財政的支援を切れ目なく行っていくことが必要です。


農林水産業の活性化

地方創生には、地域を支える第一次産業の活性化が重要です。

農業・農村に関しては、中長期的な方針を定めた「食料・農業・農村基本計画」が、本年3月に改定されます。農業・農村の所得をどのように向上させるのか、その道筋を分かりやすく提示すべきです。特にコメ政策については、飼料用米の本作化に向け、安心して取り組める位置付けが必要です。

また、基本計画では、食料自給率の目標を設定していますが、実際の自給率と目標が乖離した状況が続いています。

食料の安定供給は国の重要な責務であり、自給率向上への課題や緊急時に対応しうる潜在的な供給能力である食料自給力などを明確化し、国民的な議論を深めるべきです。

農協改革については、JAをはじめ合意に向けた関係者の努力に心より敬意を表します。今般の改革論議を通じて、農業の重要性や農業のあり方、農協の役割などについて、国民的な議論が深まることを期待しています。

法改正にあたっては、JAの協同組織としての自己改革を妨げることがないように、また、農協改革の大きな目的である農業所得の向上や地域の活性化にどうつなげていくのかの視点に立って、農業者の意見も十分に踏まえ、検討すべきです。

一方で、農業の成長産業化は、農協など組織の見直しのみで可能となるわけではありません。六次産業化や女性・若者などの新たな担い手の挑戦を積極的に支援する等、成長へとつなげる施策が重要です。

林業については、戦後造林した人工林が本格的な利用期を迎えており、国内需要を満たす量の森林資源が、その活用を待っています。川上と川中、川下の連携を強化し、国産材の安定的な供給体制を構築すべきです。

さらに、森林資源の循環利用に向けて、間伐のほか、コスト面からも有効な「皆伐・再造林」に対する支援策を強化すべきと考えます。

水産業については、資源管理を適切に推進しつつ、国内消費の喚起と輸出促進に向けた一層の取り組みが求められます。

本年5月には「食」をテーマにミラノ万博が開催されますが、この機会を最大限に活用して日本食の魅力を発信し、さらなる輸出拡大につなげるべきです。


復興・防災減災

まもなく、東日本大震災の発災から4度目の「3.11」を迎えます。公明党は、引き続き、被災地・被災者に寄り添いながら、党を挙げて、復興の加速化に全力で取り組んでまいります。

復興のステージは、日々変化しています。本格的な復興へ、住まいの確保はもとより、雇用の確保やコミュニティーの復活、道路やまちづくり、医療・介護施設等を含めた社会インフラの整備などが欠かせません。

例えば、土地の収用に関しては、今後本格化する復興事業において、事業用地等の収用手続きに時間を要することが予想されます。これまでも加速化に向けた措置を講じてきましたが、今後、こうした措置を活用して、用地取得が迅速に進むよう、一層の体制整備に努めるべきです。

来年度、集中復興期間の最終年度を迎えます。被災地では、概ね復興期間10年を前提に復興事業が進められており、被災自治体等が安心して復興に取り組めるよう、2016年度以降の財源確保を含めた国の方針を早急に示すべきです。

また、今年は国勢調査が行われますが、被災自治体では、避難に伴う一時的な人口減少その他の影響により算定基礎が変わり、普通交付税が減少するのではないかとの懸念があります。被災自治体の実態に即した対応措置を検討すべきではないかと考えます。

福島では、12万人もの方々が県内外に避難され、ふるさとへの帰還もままなりません。農林水産物等への風評被害も根強くあります。福島再生に向けては、原発事故の収束、廃炉・汚染水対策、除染、賠償、帰還、健康対策など山積する課題を、着実に前に進めていかなければなりません。

また、福島県は、原発事故の影響もあり、仮設住宅での孤独死など震災関連死が多く起きています。被災者に寄り添い、実情をしっかりと把握し、心のケア、健康対策等を一層強化・拡充すべきです。

政府が提出予定の福島復興再生特別措置法改正案は、住民の方々の帰還を促進するための交付金の創設や帰還に向けて健康に関する不安等を解消するための相談体制の整備等、支援強化策が盛り込まれており、早期成立が求められます。

来月、被災地・宮城で国連防災世界会議が開催されます。総理も出席の意向を表明されましたが、力強く復興に立ち向かう姿を世界に発信するとともに、わが国のこれまでの経験や知見を世界に発信し、各国の防災機能の向上に寄与する絶好の機会です。

今回の会議を契機として、関係者の間で、2年に1回程度、世界の防災関係者が集う仮称「世界防災フォーラム」を定期的に開催してはどうかとの提案があります。

東北「仙台」をプラットフォームとし、世界経済フォーラムであるダボス会議のように「仙台会議」として定期開催し、日本が世界の防災・減災対策を強力にリードしていく絶好のチャンスと考えます。

昨年は、記録的な豪雪、度重なる水害・土砂災害、御嶽山の噴火など自然災害が多発し、わが国が災害多発国であることを改めて認識させられました。切迫する南海トラフ巨大地震や首都直下地震等の自然災害への備えが必要です。

住宅・建物等の耐震化やインフラの老朽化対策・長寿命化、避難訓練への支援などハード・ソフト総動員の集中的な対策を講じること。さらに、気候変動等に伴う災害の激甚化に対し、浸水想定区域やハザードマップの見直し、雨水対策の強化など法改正を含めた対策が急がれます。

また、昨年改正した土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域指定の前提となる基礎調査実施の加速化支援や砂防ダムの着実な整備などが重要と考えます。


社会保障制度の確立

「社会保障と税の一体改革」は、消費税率引き上げが延期されたものの、社会保障制度を財政的にも仕組みにおいても安定させるため、着実に進めなければなりません。

子ども・子育て支援

4月からスタートする「子ども・子育て支援新制度」が円滑に施行できるよう万全を期すとともに、特に、賃金の引き上げなど保育士の処遇改善、「待機児童解消加速化プラン」「放課後子ども総合プラン」を着実に進めていくことが重要です。

新たな難病対策

難病対策は、今年1月から対象疾病が拡大されましたが、さらに今年の夏には300疾患へと拡大、対象の患者数も78万人から約150万人へと倍増されるなど大きく前進します。

今後さらに、難病の治療研究を進めるとともに、たとえ難病を発症したとしても、地域の中で尊厳をもった生活ができるよう、総合的な支援体制の確立が求められます。

介護保険制度見直し

今後の高齢社会の中で、地域における介護や医療等のサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっています。

特に、介護の現場を支える介護人材の確保および処遇改善が喫緊の課題です。この点、来年度の介護報酬において、月1万2000円相当の介護職員の処遇改善が盛り込まれたことは、評価します。

来年度からの介護報酬の改定率がマイナス2.27%となりましたが、今後ますます給付費が増える中で、介護保険制度の持続可能性の観点から、必要なサービスを充実させつつも、適正化を図るべきところは図るというように、給付の重点化、効率化は避けて通れません。一方、赤字経営ギリギリで、一生懸命に介護サービスを提供してきた小規模事業者などが窮地に立つようなことがあっては、かえって介護提供体制が後退しかねず、適切な対応が必要です。

医療保険制度の改革

将来にわたって、安心の医療が提供でき、世界に誇る国民皆保険が堅持できるよう、国・県・市町村がそれぞれの役割をしっかりと果たしつつ、改革を着実に進めていかなければなりません。

また、今年1月から高額療養費制度が見直され、70歳未満の中低所得者、およそ4060万人の限度額が引き下げられました。公明党が長年主張してきたことであり、大きな前進です。

一方、月をまたぐ治療費は合算できないなど、残された課題もあり、引き続き改善が必要です。

がん対策

公明党は、がん対策基本法の制定をはじめ、がん検診受診率向上、治療法、緩和ケア、がん登録、がん教育、就労対策など進め、成果を上げてきています。

特に、検診受診率は、無料クーポンの導入、コール・リコールの徹底などで目標の50%まで、もう一歩となっており、さらなるテコ入れが必要です。

また、がん患者の方の就労に関しては、職場の認識不足などにより、働ける・働き続けたいという希望にもかかわらず離職せざるを得ない環境等があり、支援体制の充実が急務です。

がん教育の全国展開に向けては、医師などの外部講師の活用が不可欠ですが、特に医師の確保が課題であり、関係省庁間での協議による解決が望まれます。

がん対策基本計画に掲げた種々の目標達成に向けた施策を強力に推進し、国民の皆さまが、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の構築をめざしていくべきと考えます。


エネルギー・環境

昨年秋に、再生可能エネルギー発電事業者から電力会社への電力ネットワークへの接続申し込み量が急増したことにより、電力会社が接続への回答を留保する事態が発生しました。政府は固定価格買取制度の運用を見直しましたが、これにより再生可能エネルギー導入の促進にブレーキがかかることがないよう、適切な運用に努めるべきです。

電力システム改革は、いよいよ総仕上げの段階です。

送配電部門を法的に分離し、そのネットワークを電気事業者が公平に利用できることなどをめざした法案が今国会に提出されます。

改革にあたっては、安定供給・ユニバーサルサービスの確保に支障を来たすことがないよう十分配慮し、ガスシステム、熱事業システムも含めたエネルギー産業全体の改革を実現すべきです。

さらに、本年12月に開かれるCOP21において、温室効果ガス削減に向けた新たな実効性ある国際枠組みの合意ができるよう、日本が力を尽くすべきです。そのためにも、まずは6月のサミットに向けて、野心的な温室効果ガスの削減目標を含む約束草案の検討を進めていくべきと考えます。


安全保障・外交

国民の命と平和な暮らしを守ることは、政治の責任であり、日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、国と国民を守る安全保障法制を整備していくことは、重要な課題です。

昨年7月1日、今後の安全保障法制整備に関する基本方針が閣議決定されました。

法制整備にあたっては、この閣議決定に明記された、専守防衛をはじめとする平和国家としての基本理念や憲法第9条の下で許容される自衛の措置、さらに、同決定を受けて行われた7月14、15日の衆参の予算委員会における総理および内閣法制局長官の答弁に沿って進めるべきと考えます。

また、安全保障は、国民の理解のうえに立って初めて成り立つものであり、国民の十分な理解を得ながら進めることが重要だと考えます。

平和国家として

本年は先の大戦から70年、核兵器による被ばくから70年の節目を迎えます。この間、憲法の平和主義の下、戦後一貫して平和国家として歩んできたわが国は、国際社会から高い評価を得ており、こうした姿勢を今後とも堅持しつつ、さらなる信頼構築と国際貢献に努めるべきです。

なかでも中国、韓国との関係改善をはじめ、地域の安定と繁栄に積極的な役割を果たしていかなければなりません。

また、貧困や飢餓、感染症、災害などの脅威から人々を解放する「人間の安全保障」、さらには地球的な課題である環境保全や軍縮・不拡散などの分野においても、わが国の経験や技術を生かした取り組みで世界を主導するなど、平和国家としての外交姿勢をより明確に発信すべきです。

人口減少・超高齢社会に直面する日本において、「地域」が極めて重要となってきます。仕事をする場、生活の場、憩い・コミュニティーの場として、支え合い・助け合いながら協働して健康な日々を送っていく、その基盤が地域です。

公明党は、健康寿命を延ばすことはもちろんですが、その上で、「活動寿命」を延ばすことを提案しています。元気に働き、地域への貢献も果たしていく、生涯現役の生きがいにあふれた生活を送る―そうした「ひと」が主役の理想的な「地域社会」の構築こそが、真の意味の地方創生ではないでしょうか。

公明党は、国と地方のネットワークを生かし、地方創生、すなわち「ひと」が主役の「地域社会」の構築に、全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。


安倍首相らの答弁(要旨)

【安倍晋三首相】

一、(農協改革について)意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮して、ブランド化や海外展開など自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向上につなげていく。

一、(被災自治体の普通交付税について)行政運営の状況や今後の国勢調査の結果も踏まえ、算定基準が変わることで被災自治体の財政運用に支障が生じないよう政府としてしっかり検討していく。

一、(防災・減災対策を発信する「仙台会議」について)国連防災世界会議後、防災の主流化を定着させるため、国際社会に対しどのような貢献ができるか、提案も踏まえ、よく検討したい。

一、(難病対策について)難病患者が適切な診断・治療を受けられるよう拠点病院の整備など医療体制の整備とともに、相談支援の充実も図る。

一、(安全保障法制の整備について)憲法9条の下で許されるのは、あくまでも国民の幸せな暮らしを守るための必要最小限度の自衛の措置だけだ。わが国防衛の基本方針である専守防衛には何ら変更はない。与党としっかり相談しながら万全な法案準備を進める。

【太田昭宏国土交通相】


一、(防災・減災対策について)昨年改正した土砂災害防止法に基づき、危険箇所の基礎調査を概ね5年程度で完成させることを目標とし、都道府県への支援を強化する。
  • 衆院代表質問(要旨)

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目に見える成果を国民に

安倍改造内閣の課題


長野・岐阜県境の御嶽山が噴火し、噴煙・降灰等に巻き込まれ、登山者などに大きな被害が生じました。亡くなられた方々とそのご遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

厳しい環境の中、献身的に救助活動に当たっておられる自衛隊や警察、消防など関係者の皆さまに心より敬意を表し、感謝申し上げます。政府においては、引き続き救助活動に全力を挙げるとともに、今後の火山活動に対する万全な監視・警戒体制を敷き、周辺住民の安全の確保、降灰による農作物への被害の拡大防止などに努めるよう強く要請します。

また、「平成26年8月豪雨」でも広島の土砂災害をはじめ、多くの尊い命が失われました。傷痕は深く、復旧・復興のめどが立っていない地域もあります。政府においては、災害復旧、さらには被災者の生活再建、メンタルケアを含めた健康管理など、引き続き、きめ細かな対応を求めます。

東日本大震災、広島等での台風・豪雨による土砂災害、そして今般の御嶽山の噴火など、あらためて、日本が災害多発国であることを思い知らされました。

いつやってくるか分からないのが災害です。国民一人一人が防災への意識を高めるとともに、ハード、ソフト両面にわたる防災・減災対策の強化が急務です。


さて、安倍改造内閣が始動しました。私たちは、東日本大震災からの復興の加速、経済の再生、社会保障と税の一体改革の推進を最優先課題として取り組んできましたが、さらに全力を傾注し、国民に、目に見える確実な成果を示さなければなりません。

その上で、少子高齢化、人口減少社会の中で、将来にわたって活力ある日本社会を維持するための「地方創生」、女性や若者が活躍できる国づくり、また、近隣諸国との関係改善と国際貢献への取り組みなど、課題は山積しています。

政治にゴールはなく、常に改革・挑戦です。謙虚な姿勢で国民との対話を通じて、理解と合意形成に努め、国民のための政治を貫き通していかなければなりません。そのことを安倍総理、そして新布陣となった閣僚の方々に強く申し上げたいと思います。

今後もきめ細かな支援必要

大震災から3年半


東日本大震災の発災から3年半が経過しましたが、いまなお、25万人近い方々が避難生活を強いられています。

この現実をしっかりと受け止め、被災者が一日も早く、当たり前の日常生活が取り戻せるよう、復興加速化への取り組みを進めていく決意です。

福島の一部を除き、社会インフラの整備を含めた復旧にめどが立ち、生活再建、まちづくり、農業・漁業・林業を含む産業・なりわいの再生など、復興に向けた課題へとステージが移行しつつあります。

被災者にとって最も重要な住宅再建は、2015年度末には、高台移転による宅地造成が約5割の1万戸、災害公営住宅は約7割の2万戸が完成する見込みになっていますが、これをさらに加速させなければなりません。これまで、用地取得手続きの簡素化や運用改善などの加速化措置を講じてきましたが、今後一層、地元・市町村が抱える課題や進捗状況に即した、きめ細かな支援が必要です。

沿岸地域の基幹産業である漁業については、水揚げ量が震災前の7割にまで回復する一方、水産加工品等の売り上げの回復は大幅に遅れています。金融面はもちろん、販路の確保・拡大など再生を後押しする支援が必要です。

福島の再生に向けては、原発事故の収束や廃炉・汚染水対策、除染等の課題があるものの、ようやく復興に向けた動きも見え始めました。「福島イノベーション・コースト構想」などの復興ビジョンも、具体化に向けて動き出しています。

そうした中、福島の本格的な復興への大きな一歩となる中間貯蔵施設について、福島県知事が受け入れを表明されました。その英断に心から敬意を表したいと思います。

地元の十分な理解と万全な安全対策を講じつつ、汚染廃棄物の搬入が来年1月から開始できるよう、政府を挙げた取り組みを求めます。

また、受け入れの前提である「30年以内に、福島県外で最終処分を完了する」ことや、中間貯蔵施設にかかる国の責任について、その趣旨がはっきりと分かるよう法律に明示すべきです。

震災からの復興は、「道半ば」です。集中復興期間が15年度までに終了しますが、その後の財源を含めた国としての取り組みについて、被災地から不安の声が上がっています。

残り期間が1年半となり、また、最終年度の15年度予算案の編成が本格化する中で、被災地が集中期間後も安心して復興に取り組めるよう、財源の確保や国の取り組みについて、具体的な方向を示すべきと考えます。

賃金上昇への環境整備が重要

日本経済の再生


足元の日本経済は、雇用と所得環境の改善等により、緩やかに回復していくことが期待される一方で、駆け込み需要の反動の長期化や最近の円安、天候不良等によるガソリン、生鮮食料品の高止まりなど下振れリスクもあります。

実際、家計においては、物価上昇に所得の上昇が追い付かず、実質可処分所得は増えていません。「“好循環”はどこで回っているのか」というのが国民の生活実感ではないでしょうか。

昨年に続いて再開した「政労使会議」の積極活用などで、企業収益を着実に賃金上昇、雇用確保につなげるための環境整備が重要です。

また、景気を下支えするためにも、今後、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるべきです。

地域発の成長戦略

今年6月に改訂された日本再興戦略に基づき、成長戦略を本格的な軌道に乗せていかなければなりません。成長戦略は、世界の市場を相手にしたグローバル経済の視点と同時に、「地域再生」からの視点が重要です。

むしろ我が国経済の再生、成長のカギは、国内総生産(GDP)や雇用の約7割、8割を占める地域経済の活性化にあると考えます。特に、その大半を占める中小のサービス業を中心に、経営・金融支援を強化することや、人材教育、ITの活用などにより生産性の向上を図っていくことが重要です。女性や若者はもとより、高齢者や障がい者が働きやすい環境を整備し、就労を促すことも欠かせません。

また、例えば、地域の金融機関を巻き込んだ「産・学・金・官ラウンド・テーブル」による事業創出など、地域の自主性に基づいた「地域の好循環」の実現に向けた取り組みを、国も積極的に支援していくことが効果的だと思います。

社会保障と税

社会保障と税の一体改革は、当時与党であった民主党と、野党であった自民、公明3党が合意した国民との約束であり、成立した法律に沿って社会保障の安定・充実を図っていく責任があることは言うまでもありません。

来年10月の消費税率の引き上げについては、内閣が、経済状況等を総合的に勘案し判断することとされており、それを尊重することは当然です。

その一方で、仮に引き上げを先送りした場合の、社会保障の安定・充実や財政健全化目標への影響、市場の評価などのリスクを考えると、予定通り実施できるように経済環境等を整えることを最優先すべきではないかと考えます。そのためにも、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるよう重ねて申し上げます。

また、消費税の軽減税率については、世論調査などでも常に8割近くの国民が賛成をしており、基幹税目としての消費税の役割を考えると、逆進性対策と同時に、「消費税への理解を得る」との観点からも、導入すべきです。

与党間における「10%時に軽減税率を導入する」との合意に沿って、制度設計を急ぐべきと考えます。

産業と雇用の場を確保せよ

地方創生の取り組み


地方創生のキーワードは「人」です。政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の名称の通り、「まち」と「しごと」の真ん中に「ひと」がある、このことが重要です。「ひと」が要であり、中心になければ、地方創生はしょせん、形だけに終わります。

「ひとが生きる」、そのために地域における行政サービス、特に医療・介護などの社会保障や教育の充実・確保を図りつつ、地域で生計が立てられるよう、“なりわい”としての産業と雇用の場を確保する、この両輪をかみ合わせながら、個性あふれる、安心して住み続けられる地域をつくっていく、それが地方創生だと考えます。

今般、公明党は、こうした視点に立ち、全国の地方議員と議論を重ねながら「活気ある温かな地域づくり」をめざす提言を取りまとめました。その提言に沿い、以下、質問します。

支え合う地域づくり

第一は、“支え合う地域づくり”です。超高齢社会に突入する我が国においては、高齢者が地域の中で、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを一体的に受けることができる「地域包括ケアシステム」の構築、推進が不可欠です。そのための財源を適切に確保し、地域の実情に即して活用できるようにすべきです。

その上で、在宅医療や介護を可能とする訪問看護や、小規模多機能型の居宅介護サービスの全市町村での実施、さらには、生活支援サービスと組み合わせた高齢者住宅の確保などが重要です。

関連して、認知症対策にも力を注ぐべきです。「オレンジプラン」を抜本的に見直し、地域における早期診断・治療・ケア・相談など総合的な支援体制の充実を図るなど、認知症の人とその家族を支え、できる限り住み慣れた地域で生活できる環境を整えるべきです。

また、こうしたサービスを支える介護人材を確保するため、処遇の改善はもとより、介護職のイメージアップのために「福祉人材確保指針」を抜本的に見直し、国を挙げて取り組むべきです。

さらに地域の支え合いには、多様な支え手の協力が不可欠であり、NPO、ボランティア、民間事業所などによる新たな地域支援事業の展開が必要と考えます。

魅力ある地域づくり

第二に、“魅力ある地域づくり”です。全国的に人口減少が進む中で、年間10万人程度の若年層が東京圏への転入超過となっています。地方から見れば、若年層の流出で高齢化に拍車がかかり、地域の活力がさらに奪われかねません。

こうした人の流れを転換するため、地方のUターン・Iターン・Jターンを促す支援策を構築し、若者の地方就職を進めるべきです。また、地方への定住支援として、都市部の若者が過疎地で暮らしながら地域協力活動を行う「地域おこし協力隊」が大きな成果を挙げており、さらに事業を拡大すべきです。

また、魅力あるコミュニティーを形成するため、コンパクトでスマートなまちづくりも欠かせません。地域の中小企業の人手不足を抜本的に解消するためのマッチングの仕組みや、地域資源のブランド化などによる新たなビジネスモデルの展開など、地域の特性をフルに発揮できる仕組みを構築すべきです。

安心な地域づくり

第三に、“安心な地域づくり”です。国と地方が連携し、地域の防災・減災対策を抜本的に強化すべきです。特に、橋梁や上下水道、道路、学校施設などの老朽化対策、耐震化を計画的かつ効率的に進めていくべきです。

また、防災や防犯等の観点から、空き家対策も重要です。放置された空き家は、倒壊や火災発生の恐れ、さらには犯罪の温床となるなど、問題は深刻です。周囲に迷惑をかけているような空き家は除却を促し、使用できる空き家は地域の活性化のために利活用するなど、問題解決に向けた法整備を早急に進めるべきと考えます。

活力ある地域づくり

第四は、“活力ある地域づくり”です。これからの地域の担い手は、女性や若者です。

公明党は、女性が輝く社会を構築するための「女性の元気応援プラン」を取りまとめ、提言しています。チャイルドファースト社会をめざした待機児童解消、特に明年4月に本格的に実施される「子ども・子育て支援新制度」について財源確保を含めた着実な推進が欠かせません。妊娠・出産、産後ケアを通じてワンストップで母子の健康を支えていくことも重要です。

一方、若者を取り巻く環境は、正社員か非正規かという働き方の二極化や起業における障壁、地域からの疎外など、活力を発揮し難い隘路に陥っています。

キャリアアップ助成金の活用等による非正規労働者の正社員化など、雇用対策を強化するとともに、創業・起業支援など、未来を担う若者が活躍できる環境整備に努めるべきです。

自給率、真摯に議論すべき

農林水産業の活性化


政府は、「攻めの農林水産業」をテーマに、6次産業化や「和食」の魅力発信を含む農林水産物の輸出促進、農林漁業の所得向上や地域活性化に向けた施策を展開してきました。農林水産業の活性化は、地方創生の重要な柱であり、以下、具体的に伺います。

農業

日本の食料自給率は、カロリーベースで40%を下回る水準で推移しており、50%という目標に対し大きな開きがあります。食料の安定的な確保や自給力の向上は、国の重要な責務であり、新たな基本計画の策定に向け、真摯に議論すべきと考えます。

昨年、コメ政策の見直しや農地中間管理機構による農地集約を決定したほか、本年は農協・農業組合などの改革にも着手しました。農協改革は、この秋からさらなる議論が進められますが、農協がこれまでに果たしてきた役割を踏まえ、現場の実態に即した自己改革を尊重しつつ、検討を進めるべきです。

主食用米の供給が需要を上回る中、農協から農家へ支払われる概算金が昨年より大幅に下落し、コメ農家は苦悩しています。営農を継続できるよう、当面の資金繰りへの支援などの経営安定対策とともに、コメの消費拡大にも取り組むべきです。

また、潜在需要が見込まれる飼料用米の生産に安心して取り組めるよう、数量目標を掲げるなど、生産と需要のマッチングを強化すべきです。

農地の集約化を推進するために、農地を借り受けて担い手へ貸し付ける農地中間管理機構が全県で整備されました。

この秋からいよいよ本格的な農地の利用調整が始まりますが、市町村段階の推進体制の整備や制度の周知徹底など、国・地方を挙げて取り組みを進めるべきと考えます。

林業

国土の約3分の2を森林が占める日本において、森林資源の循環利用は重要な課題です。地域材の安定的・効率的な供給体制の整備を進めるとともに、耐震性・耐火性に優れた直交集成板(CLT)などの普及を加速化させるべきです。

そのためにも、20年東京オリンピック・パラリンピック関連施設への国産材の積極的な活用を推進すべきと考えます。

水産業

水産業については、水産物の安定的な供給と産業の健全な発展のために、資源管理の一層の推進が必要です。また、世界各地での魚介類の消費増を踏まえ、養殖業の持続的な発展と輸出の促進に力を注ぐべきです。

他方、国内では水産物消費の減少傾向が続いており、手軽においしく食べられる水産物「ファストフィッシュ」や、地元の漁師が自信を持ってすすめる「プライドフィッシュ」の推進など、消費拡大に向けた取り組みが重要です。

さらに、漁村地域の活性化のためには、水産物の高付加価値化などで所得の向上を総合的・戦略的に進めることも必要です。また、当面の燃油高騰対策にも万全を期すべきです。

「緩和ケア」の普及を急げ

医療に充実

難病対策


先の通常国会で、患者・家族の方々の悲願であった難病対策の新法が成立し、恒久的かつ安定的な制度が確立しました。この結果、まずは、8月に医療費助成の対象として110疾患が選定され、今後の認定で最終的には約300疾患にまで対象が拡大されることとなっています。

医療費助成と併せ、効果的な治療方法の確立と医療の質の向上による疾患の克服こそが患者の最大の願いです。特に超希少難病の治療薬や医療機器の研究・開発については、国としても強力に支援していくべきと考えます。

がん対策

がん対策について伺います。第一に、がん検診受診率の向上です。基本計画では、16年度までに、原則50%という目標を掲げているものの、現状は3割台にとどまっています。企業・自治体を含めた連携・協力で、一層の普及啓発に努めるべきです。

また、無料クーポンの配布とともに、乳がんや子宮頸がん検診の対象者に、お知らせの送付や電話などで個別に受診を勧める「コール・リコール制度」がスタートしました。さらに、精密検査を要する人への再勧奨を推進するなど、対策を強化すべきです。

学校等における「がん教育」の全国展開も極めて重要です。今年度、全国21地域70校でモデル事業を実施し、さらに今後、教材等の開発を進める予定になっています。児童・生徒が授業を通して、がんを知り、命の大切さを学び、将来の検診受診率の向上に結び付くような教育を推進すべきです。

苦痛を和らげる「緩和ケア」については、がん医療に携わる全ての医師が研修を受けるべきと定めていますが、病院間で大きな格差が生じています。研修を病院まかせにせず、今こそ国を挙げて取り組むべきです。

具体的で野心的な目標示せ

再生可能エネルギー


我が国の発電電力量における再生可能エネルギーの割合は、水力発電を除けば1.6%程度であり、欧米主要国に比べて依然として少ないのが現状です。

本年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」に基づき、再生可能エネルギーの導入促進を図るための司令塔として「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」が創設されましたが、第1回会合以降、目に見えた進展がありません。

我が国にとって、再生可能エネルギーの導入促進は急務です。普及に向けては、固定価格買取制度の適切な運用をはじめ、低コスト化・高効率化に向けた技術開発や、大型蓄電池の導入、送配電網の増強といったインフラ整備などの施策を加速させなければなりません。

公明党は、2030年を目標に、総発電量における再エネの発電割合30%をめざすべきと考えており、国としても具体的かつ野心的な目標を早急に提示すべきです。

併せて、再エネへの民間投資を誘発するため、子や孫に再エネに関する投資を資産として贈与した場合、贈与税を軽減する「緑の贈与制度」を創設すべきと考えています。

重層的な対話の促進を

アジア外交

日中、日韓関係


日中関係については、11月に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向け、経済協力分野をはじめ、関係改善に向けた対話の機運が高まっています。

こうした中、日中間の偶発的な軍事衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」の設置に向けた協議の再開が合意されたことは、前進です。

こうした動きを好機と捉え、政府・与党が連携し、あらゆるチャンネルをいかした重層的な対話を促進していくことが重要と考えます。

明年、国交正常化から50年を迎える日韓関係を含め、中韓両国との関係改善にどう取り組まれるのか伺います。

新たな安保法制の整備

我が国を取り巻く安全保障環境が変化する中、国民の生命と財産を守るため、切れ目のない安全保障法制を整備することは極めて重要な課題です。

さる7月1日、新たな安全保障法制の整備のための基本方針が、自公両党の協議を経て閣議決定されました。今後は、この閣議決定や、これを受けて行われた7月14、15日の衆参予算委員会における安倍総理ならびに内閣法制局長官の答弁を十分に踏まえ、法整備を行うことが重要だと考えます。


公明党は、本年11月17日、結党から50年を迎えます。幾多の困難を乗り越えて、今日を迎えられたのは、公明党に夢や希望を託し、幅広いご支持・ご支援を寄せてくださった皆さまのおかげであり、あらためて心より感謝申し上げます。

公明党は、「大衆とともに」の立党精神を不変の原点とし、「中道」すなわち「<生命・生活・生存>を最大に尊重する人間主義」の旗を掲げ、常に庶民・大衆の側に立った政治の実現をめざしてきました。この間、福祉の充実や政治腐敗との闘い、日中国交正常化への貢献や安全保障政策における国民的な合意形成など、日本の政治に大きな役割と足跡を記してきたと自負しています。

民主政治にとって、政党の役割は極めて重要です。多様な民意を受け止め、それを集約して合意形成を図る政党の存在がなければ、議会政治は成り立たないと言っても過言ではありません。

公明党が「大衆とともに」の立党精神を大事にし、現場第一主義に徹してきたのは、国民の声をきちんと受け止め、それを政治に反映するという不断の努力なくして、国民の信頼に基づく政治は築けないと考えてきたからです。

これからも公明党は地域密着型の政党として、現場第一主義を貫き、地方議員、国会議員のネットワークを通じて、国民の声を政治に届けることをお誓いし、私の代表質問を終わります。

質問に対する安倍首相らの答弁(要旨)

安倍晋三首相

一、(御嶽山噴火への対策などについて)二次災害に留意しつつ救助活動に全力尽くす。今回の経験を踏まえ、火山活動の監視を強化するなど防災対策にスピード感を持って取り組む。

一、(5年間の東日本大震災の集中復興期間が15年度で終了することについて)区切りとなる15年度予算は必要な額をきちんと措置していく。16年度以降も、被災者の心に寄り添い、しっかりと対応する。

一、(賃金上昇、景気対策について)「政労使会議」での議論などを通じ、経済の好循環実現に向けた環境整備を図り、賃金上昇、雇用拡大が達成される状況を実現していく。7―9月期のGDP速報値など各種の経済指標をよく見ながら、経済の状況などに慎重に目配りしていく。

一、(介護人材の確保について)介護職のイメージアップや国民の理解促進を図るため、福祉人材確保のための国の指針を見直し、総合的な方策を講じる。

一、(中国、韓国との関係改善について)11月に北京で開かれるAPECで日中首脳会談ができればよいと考える。韓国とも、お互いに努力を重ね、さまざまな国際会議の機会に首脳会談ができればよい。政府・与党が連携し、あらゆるチャンネルを生かした重層的な対話を促進していくことが重要だ。

太田昭宏国土交通相

一、(防災・減災対策について)雨の降り方が局地化・集中化・激甚化していることや、首都直下地震、南海トラフ巨大地震の発生が切迫していることなどから、ハードの整備とともに情報伝達や避難体制を構築するなどソフト対策も総動員し、防災・減災を重視した地域づくりを徹底して進める必要がある。
  • 衆議院本会議で代表質問

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「好循環」実現、経済再生へ
賃金上げ、成長戦略実行
安心の医療、介護へ 地域包括ケアの構築を


1月29日(水)、衆議院は本会議を開き、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行いました。代表質問に立った私は、今後の政治課題について「日本経済の再生と震災からの復興の加速を最優先の課題として、全精力を傾注すべきだ」と強調するとともに、安心の社会保障制度の実現などに取り組む決意を表明しました。また、今年、公明党が結党50周年を迎える点に触れ、「真の国民政党として『公明らしさ』を発揮し、日本の現在と未来に責任を持って努力する」と訴えました。

・軽減税率の制度設計が急務
・難病対策で抜本改革進めよ
・住宅再建へ工程表の改善も
・防災・減災主要政治課題に


【経済再生】「『経済の好循環』こそが経済再生の目的」とした上で、民需主導の経済成長を実現し、景気回復の恩恵を家計、地域、中小企業へ「全国津々浦々まで波及させ、雇用拡大、賃金上昇につなげていくことが不可欠」と指摘しました。

また、2013年度補正予算案や14年度予算案、税制改正関連法案は、消費税率引き上げへの影響緩和や経済成長、復興加速、防災・減災対策などに不可欠として、早期成立を求めました。さらに、日本の強みを生かした成長戦略が必要とし、中小企業の設備投資、技術開発の促進や観光戦略の推進を強調しました。

【税制改正】車体課税に関して、簡素化や負担の軽減、グリーン化を進める観点から全体を見直すよう要望。消費税率10%時に導入する軽減税率に対しては「対象品目や納税事務の在り方などの詳細な制度設計の協議を急ぎ、今年末までに結論を出すべきだ」と訴えました。

安倍首相は、今年中に消費税率10%への引き上げの判断を行うとし、軽減税率は「与党の検討を見守る」との考えを示しました。

【社会保障】高齢化が急速に進行する中で、医療や介護などのサービスが地域で包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築が不可欠だと訴えました。その上で、14年度予算案では、医療従事者の確保や在宅医療・介護などを推進するために、904億円の基金が創設される点に言及。現場の切実な声を踏まえ、「実効性のある改革を」と強調しました。安倍首相は「現場の意見を十分に聞き、地域包括ケアシステムの構築を進める」と答弁しました。

また、難病対策では、医療費助成が法律に基づく安定的な制度となり、対象者数も倍増するなど、抜本改革が進められることになった点に触れ、「関係法案を今国会で速やかに成立させるべきだ」と迫りました。

このほか、がん対策では、検診受診率向上などの取り組みを強化するよう提案。子育て支援では、子ども・子育て支援新制度の15年度施行へ万全を期すよう主張するとともに、待機児童解消加速化プランの確実な実施を促しました。年金については「無年金・低年金対策を着実に進めるべき」と求めました。

【復興、防災・減災】「これから(東日本大震災被災地の)住宅再建、まちづくりが本格段階に入る」とし、住宅再建の工程表を進捗状況に応じて見直したり、土地収用制度の運用改善・手続きの簡素化を進める必要があると指摘。

インフラ(社会資本)整備の担い手不足や資材の高騰問題では、公共工事の入札不調が頻発した点も踏まえて、復興に遅れが出ないよう対応を求めました。

また、来年3月に仙台市で開かれる「第3回国連防災世界会議」の成功へ全面支援を求めるとともに「人間の安全保障」の観点から防災・減災を主要政治課題にすべきとしました。

【外交・安全保障】国際協調主義、平和国家の基本理念を堅持し、ソフトパワーを重視した外交力の強化で地域の安定と繁栄に貢献する姿勢を明確に発信すべきと強調。中国、韓国との関係改善へ、政治・経済・文化・環境・防災などの各分野で未来志向の協力関係を積み重ねていくことの重要性を説明しました。

沖縄の基地負担軽減については、「嘉手納以南の土地返還計画の一日も早い実施を米国と調整すべき」とし、沖縄振興策の着実な実施も求めました。

【農林水産】生産調整の見直しなどコメ政策の転換について「農家の不安に対して丁寧な説明に努め、安定的な制度を構築すべきだ」と強調。東北3県の農林水産物の風評被害への対応も求めた。安倍首相は「先頭に立って風評被害の払拭に努める」と述べました。


最重要課題で認識共有

衆院本会議での代表質問を終え、国会内で記者団に対し、大要次のような見解を述べました。

一、(首相の答弁について)内閣の最重要課題が経済再生・デフレ脱却、東日本大震災からの復興加速であることをあらためて確認し、認識を共有したことは一番大きい。政府・与党でよく協議し具体的に進めたい。

一、質問では、地域包括ケアシステムや難病対策など医療、介護の具体的な課題で現状認識を述べた。特に、消費税率の引き上げ分が社会保障の安定と充実にすべて振り向けられることを、具体的に示すことができたのはよかった。これから法案を政府・与党で協議し仕上げていきたい。

一、(中韓両国との関係改善について)首相の積極的な姿勢は伺うことができた。政府として具体的にどうするかをよく見ていきたい。われわれとしてもバックアップしていきたい。
  • 衆議院本会議で代表質問

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経済「好循環」実現を
復の恩恵家計、地方に
軽減税率導入へ制度設計急げ


10月17日(木)午後、衆院は本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行いました。代表質問で私は、現場第一主義で庶民に寄り添う政治姿勢を貫き、諸課題の解決へ「国民的な合意をつくりつつ結果を出す」と強調。景気回復の恩恵を家計、中小企業、地方へつなげる経済政策の推進、安心で持続可能な社会保障制度の構築、復興加速化などを訴えました。

質問と政府答弁の要旨はこちら


高額療養費見直し 低所得者は引き下げよ
子育て新制度施行 財源、準備に万全期せ
震災復興の加速化 汚染水抜本対策が必要


【経済再生】賃金が上がり、消費が拡大し、企業収益が増加する「経済の好循環」を生み出すため、「景気回復の恩恵を家計へ、中小企業へ、地方へつなげることが最重要課題だ」と強調。「政労使」の連携によって賃金上昇につなげる積極姿勢を首相に求める一方、中小企業支援策強化や、観光資源などを生かした“地域発”の成長戦略の策定と実行を提案した。

これに対して、安倍首相は、各団体や企業に賃上げの取り組みを要請するとともに「賃金の動向を調査し、効果を検証し、その結果を適切な形で公表する」と答えた。

【消費税率引き上げ】2014年4月からの消費税率引き上げの目的は、社会保障制度の安定・充実を図ることだと強調。一方で税率引き上げの影響緩和として、子育て世帯など中堅所得層にも配慮すべきだと主張したのに対し、安倍首相は「新たな経済対策で女性・若者向け施策として、子育て支援などを盛り込む」とし、これらの施策で対応を図ると答えた。

また、軽減税率の導入を約7割の国民が望んでいるとして、制度設計を急ぐよう求めた。

【社会保障】社会保障制度改革のうち高額療養費制度の見直しについて井上幹事長は、対象範囲が広い「一般所得」の区分を見直し、低所得者の限度額を引き下げることを重ねて提案。また、15年4月の「子ども・子育て新制度」の本格施行へ向けた準備と、追加財源の確保は重要な課題だと訴えた。

このほか、生活困窮者が増える中で重層的なセーフティーネットの構築を主張。安倍首相は前通常国会で廃案となった生活保護関連2法案の速やかな審議と成立を要請するとともに、生活困窮者支援などに活用する補助金も財源確保に努めると述べた。

【震災復興】東日本大震災の復興加速化について井上幹事長は「きめ細かな支援策を講じていく必要がある」と指摘。東京電力福島第1原発の汚染水問題では、貯蔵タンクの信頼性向上や風評被害防止などを強く求め、抜本解決に向けた安倍首相の決意をただした。

安倍首相は「予防的かつ重層的な対策を講じていく」と答えた。

また、災害公営住宅の建設などを進めるための土地取得が難航している点に関して「特例制度の創設も検討すべきではないか」と提案した。

【防災・減災】先月に発生した竜巻で甚大な被害を受けたにもかかわらず、被災者生活再建支援制度の対象外となった自治体がある点に言及。災害規模要件の撤廃や、同一の自然災害で被災した自治体全てを対象とするなど「被災者の立場に立って(同制度を)見直すべき」と述べた。

このほか「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」を早期成立させ、防災・減災対策を行うべきとした。

太田昭宏国土交通相(公明党)は、インフラの老朽化対策やメンテナンスに重点を置いて取り組むと答えた。

【TPP】「年内妥結」に向けた協議が進む環太平洋連携協定(TPP)交渉に際して、井上幹事長は「国益を追求する」との基本方針や、コメなど重要5項目の関税撤廃対象からの除外などを求める衆参両院の農林水産委員会での決議を守ることを要望した。安倍首相は「方針に変更なく、決議を受け止め交渉する」と答えた。

【農林水産】「農地中間管理機構」(農地集積バンク)の創設に言及。「耕作放棄地を解消し、担い手に農地を貸し付けられるよう効率的な機構を構築すべき」と訴えた。
  • 衆院代表質問(要旨) 平成25年10月17日

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10月17日の衆院本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対し代表質問を行いました。要旨は次の通りです。


質問に入る前に、15日から16日にかけて日本列島を襲った台風26号により、甚大な被害がもたらされました。災害により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。

伊豆大島では今なお、懸命な救出活動が続いており、一刻も早い救出と無事を心より祈念いたします。政府においても、関係者と協力をして救出に全力を挙げるよう、あらためて要請を致します。

さて、自民党、公明党の連立政権が発足してから間もなく10カ月が経過いたします。

安倍内閣は、発足した瞬間から「経済の再生」をはじめとする諸課題に果敢に挑戦し、まさにロケットスタートで政治を前に進めてきました。「スピード」と「責任」、そして「結果を出す」―これが自公連立政権です。

そして、本年7月の連立政権に対する「中間評価」ともいうべき参議院選挙。公明党は、特に連立政権合意の最優先課題である「東日本大震災からの復興と万全な防災・減災対策」「景気・経済対策」、そして「社会保障と税の一体改革」についての取り組みと政策を、強く国民に訴えました。

その結果、参議院でも自民、公明で過半数の議席をいただき、衆参のねじれは解消、「政治の安定」を求める民意が明確に示されました。

私は、今年1月の本会議代表質問において、再び連立政権を担うに当たっての政治姿勢として、「国民の中にある多様な民意を重く受け止める謙虚な姿勢を貫かなければならない」と申し上げ、今般の参議院選挙の結果を受けて、一層その思いを強くしております。

政治は「信なくば立たず」です。政権運営に当たっては、民意を十分に踏まえつつ丁寧に議論を進め、国民の理解・コンセンサスを得ていく、このプロセスを大切にしていくことが肝要です。




経済再生

「政労使」連携で賃金上昇を

経済再生への取り組みについて質問します。

わが国は、人口減少社会に突入し、さらには地球規模での環境問題への対応などの課題がある中で、長期にわたる閉塞状況を打破し、日本経済の持続的成長と財政健全化を同時に実現させるという難しい舵取りが求められています。

その突破口を開くのが「3本の矢」の経済政策であり、「社会保障と税の一体改革」です。

安倍内閣は、政権発足直後から、矢継ぎ早に経済対策を打ち出し、実行してきました。その結果、過度な円高は是正され、成長率だけでなく有効求人倍率などの経済指標は大きく改善をしており、日本経済は明らかに好転し始めています。

しかし、これからが重要です。デフレ脱却と経済再生の道筋を確かなものにしつつ、「経済の好循環」を生み出すためには、景気回復の恩恵を家計へ、中小企業へ、地方へとつなげていくことが不可欠であり、最重要課題です。

景気回復の恩恵を家計へ

まずは、消費を支える家計の賃金・所得を増やすことです。でなければ消費は伸びず、「経済の好循環」は生まれません。

公明党は、生産性向上による企業収益を確実に賃金上昇に反映させるため、「政労使」による賃金の配分に関するルール策定の必要性を主張してきました。「経済の好循環実現に向けた政労使会議」が設置され、議論が開始されたことは大きな前進です。

今般決定した所得拡大促進税制の拡充だけではなく、「政労使」の連携によって賃金の上昇につながっていくよう、総理の力強いリーダーシップに期待をします。

中小企業、地域経済の活性化

次は、日本経済を支える「中小企業」「地域経済」の活性化が、成長力強化、「経済の好循環」への重要なカギであるという点です。

特に、未来への経済成長の芽を育てることに焦点を当て、起業・創業を促進するとともに、日本が誇る中小企業が持っている技術力・人材力などを、いかんなく発揮できるよう支援策を強化すべきです。

また、地域経済の活性化に向けて、例えば、観光資源や地場の産業・産品など地域の特色を生かした“地域発”の成長戦略の策定とその実行が極めて重要です。

「経済の好循環」実現に向けた、今後の取り組みについて総理の見解を伺います。


消費税

子育て世帯などにも配慮必要

一体改革の目的

消費税について質問します。

総理は10月1日、経済状況を確認した上で、「国の信任を維持し、社会保障制度を次世代にしっかりと引き継ぐ」ことを自らの責任として、来年4月から予定通り消費税率を8%へ引き上げるという大きな決断をされました。

「社会保障と税の一体改革」における消費税率引き上げの重要な目的は、現行の地方消費税を除いた消費税収全てを年金、医療、介護、子ども・子育て支援の4分野に充てることにより、社会保障制度の安定・充実を図ることです。

しかし、10月1日に方針を決定した「5兆円規模の経済対策」に関連し、さも消費税が社会保障以外の目的で使われるかのような誤解も見受けられます。

そこで総理に、あらためて「消費税は社会保障にしか使わない」ことを確認するとともに、「社会保障の充実」分の内訳を含め、社会保障改革に取り組む決意を伺います。

中堅所得者対策

消費税率引き上げによる負担増を緩和するための低所得者対策として、8%段階においては「簡素な給付措置」を実施することとしています。

住宅取得については、税率引き上げによって負担増とならないよう、住宅ローン減税の拡充に加え、給付措置を講じることにしています。また、東日本大震災の被災者の住宅再建についても、負担増とならないよう給付措置を創設をします。

併せて公明党は、消費税率引き上げの影響を緩和するという観点からは、支援を低所得者に限るのではなく、子育て世帯など中堅所得層にも配慮した措置を年末の経済対策の中で講ずべきであると考えます。総理の見解を伺います。

税制改正

「経済政策パッケージ」では、約1兆円規模の投資減税などの税制措置も盛り込まれ、特に、公明党の強い主張で、中小企業投資促進税制、所得拡大促進税制などが大きく拡充をされました。

年末の税制改正を待たずに、前倒しで税制改正の内容を決定することで、企業などに予見可能性を与え、投資拡大や賃金上昇につながる効果が期待をされます。

一方で、復興特別法人税の、1年前倒しの廃止については、国民の間に強い反対意見があることも、率直に受け止めなければなりません。

したがって、その廃止についての検討に当たっては、「復興特別法人税に代わる復興財源を確保すること」「国民の理解、中でも被災地の方々の十分な理解を得ること」「復興特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること」が前提であることを、あらためて総理に確認いたします。

軽減税率の議論の加速化

自民党と公明党は、2013年度税制改正大綱で「消費税率10%への引き上げ時に、軽減税率制度を導入することをめざす」とし、「本年12月までに結論を得る」ことで合意をしており、この方針・目標に向かって、さらに議論を加速させていきたいと思います。

軽減税率については、国民の期待も大きく、各種世論調査でも約7割が導入を望んでいます。中低所得者への配慮、国民の消費税に対する理解を深めるためにも必要な制度であると考えます。

政府においても、軽減税率の導入に向けて制度設計を急ぐべきです。総理の答弁を求めます。


社会保障改革

介護・看護の人材確保を促せ

社会保障制度改革について質問します。

社会保障制度改革については、「社会保障制度改革国民会議」が今年8月にまとめた「報告書」をベースにしつつ、進めるべき改革の方向と工程を明確にした、いわゆる「プログラム法案」が国会に提出されました。

これにより、昨年の一体改革では積み残しとなっていた医療・介護にかかる改革が進むことになりますが、制度設計に当たっては、安心で持続可能な制度の構築に力を尽くす決意です。

高額療養費

医療については、現在、政府内で高額療養費の自己負担限度額の見直しが検討されていますが、現在の所得区分上、対象範囲が広い「一般所得者」の区分を見直し、所得の低い方の限度額を引き下げるべきと考えます。また、年間上限額の新設や世帯合算要件の見直しの検討も重要です。

また、国民健康保険、後期高齢者医療制度の低所得者の保険料負担の軽減措置は、早急に実施すべきと考えます。

介護

介護保険の見直しに向けては、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らせるよう、介護・医療・予防・生活支援・住まいが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築が重要です。今後、地方自治体等関係者の意見も十分に聞きながら進めていくべきです。併せて、介護サービスを担う介護・看護従事者の確保、処遇改善に向けたさらなる取り組みが必要と考えます。

子育て支援

“未来の宝”を社会全体で支える―社会保障の重要な柱に位置付けられた子ども・子育て支援に万全を期さなければなりません。

特に、女性が輝く社会の構築に向けても、待機児童の解消は急務です。まずは、「待機児童解消加速化プラン」を着実に実行に移すべきです。

併せて、子ども・子育て新制度の本格施行が予定されている15年4月に向けて、準備に万全を期すべきであり、特に必要とされる1兆円を超える追加財源の確保は重要な課題です。

重層的な安全網の構築

先の通常国会では、「生活保護法改正案」と「生活困窮者自立支援法案」が、与野党協議の上、衆議院で修正可決されたにもかかわらず、残念ながら廃案となりました。

現役世代を含む保護受給者や生活困窮者が増加する中で、両法案をしっかりと手当てすることが重層的なセーフティーネットの構築に不可欠と考えます。

地域において、既に2法案の実施を見据えた事業も始まっていますが、生活困窮者支援などに活用する補助金が不足しているとの声も聞こえます。財源確保も含め、重層的なセーフティーネットの構築について見解を伺います。


復興の加速化

土地収用、特例を検討すべき

東日本大震災からの復興の加速化について質問します。

東日本大震災・原発事故から2年7カ月余り、今なお29万人近くの方が避難生活を強いられ、福島県では5万人を超える方が県外での生活を余儀なくされています。

あらためて、被災された皆さま、原発事故に苦しんでおられる皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。公明党は、引き続き被災者の皆さまが一日も早く、当たり前の日常生活を取り戻せるよう、復興の加速に全力で取り組むことをお誓いいたします。

安倍内閣発足以降、復興庁による省庁横断的な取り組みや、復興予算の拡充、「福島ふるさと復活プロジェクト」をはじめとした新たな復興策の実施などにより、被災地からは「ようやく復興の歯車が回り始めた」との評価も聞こえてきました。

一方で、災害公営住宅の確保やまちづくり、除染の遅れなどの問題が立ちはだかり、被災者の住宅再建、生活再建は思うように進んでいません。

加えて、被災状況や自治体の財政力により、復旧・復興の進捗に格差が生じてきています。被災者や被災地の実情が、刻一刻と変化していることを機敏にとらえ、よりきめ細かな支援策を講じていく必要があります。被災地の現状認識と復興加速にかける決意について、総理に伺います。

汚染水問題

先月20日、私は、発災以降2度目となる東京電力・福島第1原発内の視察を行いました。現場で作業に従事しておられる方々の懸命な努力に敬意の念を抱くとともに、事故の収束と廃炉に向けた過酷な作業に追い打ちをかける汚染水問題の深刻さを目の当たりにし、国が前面に出て、総力を挙げて対策を講じる必要性を再認識致しました。

政府は、汚染水問題で想定されるリスクについて、国内外の英知を結集し、年内を目途に総合的な対策を取りまとめる方針を決定しました。

しかし、1日約400トンの地下水が建屋に流入して汚染水として増え続けており、また、昨日のように大雨による危険性もあり、速やかな対応が必要です。地下水流入に対する抜本策の検討、汚染水貯蔵タンクの信頼性向上、放射性物質の除去技術など最新の知見を生かした対策によって一日も早く抜本解決につなげるよう強く求めます。

また、人為的なミスを再発させないためにも、現場の指揮系統を明確化するとともに、作業員の安全管理の強化と人材確保に万全を期すべきです。

汚染水の環境への影響についても、国内外の信頼が得られるよう、情報を分かりやすく丁寧に発信するとともに、漁業関係者や周辺住民の方々の不安解消と風評被害防止に努めるべきです。

土地取得の課題

被災地では、防潮堤復旧や高台への集団移転、災害公営住宅建設などを進めるに当たって、事業用地に当たる土地の地権者が行方不明であったり、相続未登記であったりして早期の用地取得が難航し、事業が遅延するケースが生じています。

政府は、民法の不在者財産管理制度の活用や土地収用制度の運用改善による収用手続きの迅速化などの対策を講じてきていますが、現場においては、その効果は「限定的」との声が上がっています。

今後、実効性をどう確保するのか、場合によっては特例制度の創設も検討すべきではないかと考えます。

仙台・国連防災世界会議

15年3月、第3回国連防災世界会議が、被災地・仙台で開催されることが決まりました。

防災投資の重要性が国際的に共有されつつある中で、日本が防災先進国として、大震災で得た教訓や知見を世界に発信し、防災を各国の主要な政治課題に取り入れる絶好の機会となります。それは「人間の安全保障」という概念に防災を位置付けることにもつながります。また、国際会議の場で、被災者が自ら震災からの復旧・復興過程で得た経験や思いを国際社会に発信することにより、被災地、また被災者にとっても未来への希望につながるきっかけになると考えます。見解を伺います。


災害対策


防災・減災対策について、質問します。

冒頭に申し上げました台風26号にとどまらず、今年は、台風や活発な前線等による記録的な豪雨や竜巻の猛威により、日本各地が深刻な被害に見舞われました。

国・自治体における被害想定などの情報共有の在り方、避難指示を含めた情報提供の在り方など、災害対策に関して多くの課題を残しました。政府においては、引き続き、関係自治体と協力しながら、被災された方々の住宅再建など、災害復旧に全力を挙げるとともに、災害対策の在り方を検証し、改善していくよう強く要望致します。

被災者生活再建支援制度

被災者生活再建支援制度について伺います。

先月2日に発生した竜巻被害では、埼玉県越谷市が本制度の適用対象となった一方で、隣接し同じ被害を受けた埼玉県松伏町や千葉県野田市は、「同一市町村で全壊家屋が10世帯以上」などの要件を満たさず、適用が認められませんでした。

結局、これら自治体は独自で支援策を講じましたが、同じ竜巻で被災したにもかかわらず、住んでいる地域により支援対象から外れるのは、被災者の立場からすれば、あまりにも不公平です。

支援制度については、規模要件を撤廃して全ての災害を支援対象にすることや、今回の竜巻のように、一部自治体が適用を受ける場合には、同一の災害で被災した他の自治体も対象となるようにするなど、被災者の立場に立って見直すべきと考えます。

総理の見解を伺います。

防災・減災対策の着実な実施

昨年末、痛ましい中央自動車道笹子トンネル事故が起きました。また、最近では高速道路の跨道橋の安全性について問題が指摘されるなど、国民の命を守るための道路や橋などの社会インフラの老朽化対策、防災・減災への取り組みは待ったなしです。

東日本大震災の教訓を踏まえ、また、今後予想される首都直下地震や東海・東南海・南海地震などの各種大規模災害も想定しつつ、社会インフラの総点検と地域の防災計画の見直しを進めるとともに、老朽化対策の前倒し実施を含め、計画的かつ集中的な投資を進めていくべきです。

また、ハードだけでなく、防災教育の充実などソフトにも力を注ぐべきです。

こうした対策を着実に推進していくためにも、現在、自民党と共同で提出をしている「防災・減災に資する国土強靱化基本法案」を、各党・各会派の協力も得て、一日も早く成立させたいと考えています。

太田国土交通大臣は、本年を「メンテナンス元年と位置付け、その技術を世界にも発信する」と述べられましたが、あらためて、防災・減災に取り組む決意を伺います。


TPP交渉


環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について質問します。

わが国が本年7月にTPP交渉に参加以降、交渉参加各国との協議等が進められていますが、今月8日には首脳会合が開かれ、「年内に妥結することを目的に、残された困難な課題の解決に取り組むべき」ことで合意を致しました。年末に向けて交渉が加速化することが予測されますが、今後の交渉に当たっては、総理が参加決断された際の、「わが国として守るべきものは守る、攻めるものは攻める」「国益にかなう最善の道を追求していく」との基本方針、さらには、衆参の農林水産委員会における決議を断固守るよう、あらためて強く求めます。

総理の答弁を求めます。

農林水産業

農林水産業について質問します。

人の生命を支える農林水産業は、“国の基”ともいうべき極めて重要な産業です。

地域に根差した農業、水産業、そして林業を元気にし、地域経済の活力、ひいては日本経済全体の活力へと結びつけていかなければなりません。地域の実情を踏まえた農林水産業の振興に力を入れるべきです。

とりわけ農業の未来に向けては、「攻め」と「守り」両面にわたる戦略的展開が重要です。

まずは、高付加価値化や輸出促進、農地集積など「攻め」の農政の本格的挑戦です。

特に、「農地中間管理機構」いわゆる農地集積バンクは、耕作放棄地の解消や担い手への農地集積を同時に進める意欲的な政策です。

より有効に耕作放棄地を解消し、迅速かつ適切に、担い手へと農地を貸し付けることができるよう、効率的な機構の構築を強く望むものです。

いま一つは、中山間地や家族経営、兼業などの多様な農家の持続を支えるための重層的な政策展開で、広く農山漁村の振興を図ることです。

多様な農業の在り方を持続可能とする、いわば「社会政策」として、中山間地域等直接支払制度の拡充など、農業の多面的機能の維持や地域の発展につながる仕組みの構築が求められます。

旧・戸別所得補償制度については、固定部分は存続させ、変動部分は農家からの拠出を伴う制度へと見直し、法制化すべきと考えます。早期に道筋を付け、農家の不安を解消すべきです。

以上、「攻め」の農林水産業への挑戦と、持続可能な農業に向けた施策について、総理の見解を伺います。


再生可能エネ

工程表を作り戦略的に進めよ

次に再生可能エネルギーの導入について質問します。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度において、今年6月末までに認定された設備量は約2291万キロワットとなり、2月末からは1000万キロワット近く上乗せしています。

その一方で、発電に至っているのは約16%にすぎず、今後、認定設備量全てを確実に稼働させるためには、送電網の増強、大型蓄電池の導入、さらには地域間連系設備の増強などのインフラ整備を進めていく必要があります。

その実現のためには、国がもっと前面に出て戦略性をもって進めていく必要があります。まず、わが国の導入目標を定め、その上で工程表を作成し、送電線などのインフラ整備、規制緩和、技術開発などを行い、着実に導入拡大を図っていくべきです。

また、地域経済活性化の観点からは、地域主導で、中小水力、バイオマス、地熱といった多様なエネルギー源を開発していくことが必要です。政府は既に、さまざまな施策を打ってきていますが、あらためて地域の視点で現状を検証し、再生可能エネルギー開発を加速して、地域発展にも寄与していくべきと考えます。

総理の答弁を求めます。


最後に一言申し上げます。

「徹底した現場第一主義」そして、「庶民に寄り添いながら、課題の解決に向けて果敢に挑戦をする」―これが公明党の原点であり、誇りであります。

被災地をはじめ現場に足を運べば、私たち公明党、そして連立政権に対する叱咤と期待の声をたくさんいただきます。中には、霞が関には届かないような小さな声、小さな叫びもたくさんあります。こうした小さな声・叫びに真摯に耳を傾け、真剣に受け止める。そして、それを政治に届け、政策につなげる―。

公明党は、これからもこの姿勢を貫き、与党の一員として、山積する課題に真正面から取り組み、国民的な合意をつくりつつ、結果を出していく決意です。

このことを最後にお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。
  • 衆院代表質問要旨、政府答弁要旨

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3月5日(木)、衆院本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説に対し代表質問を行いました。要旨は次の通りです。

求められる「結果を出す政治」

質問に入る前に、間もなく発災から2年を迎える東日本大震災で犠牲になられた方々に、あらためてお悔やみを申し上げるとともに、32万人を超える、いまだに避難生活を送っておられる皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

総理は施政方針演説の冒頭で、「『共助』や『公助』の精神は、単にかわいそうな人を救うことではありません。懸命に生きる人同士が、苦楽を共にする仲間だからこそ、何かあれば助け合う。そのような精神であると考えます」と述べられました。

全く同感であります。今を懸命に生きる、被災された方々に寄り添い、平穏な生活を取り戻す復興、福島の再生に総力を挙げる、その姿こそ総理が言われる「強い日本」ではないでしょうか。公明党はこれまで以上に復興、福島の再生に力を尽くすことをお誓い申し上げます。

さて、昨年12月26日の連立政権発足以来2カ月余り。安倍内閣は、国民の期待を受けて、高い支持を得ています。年末・年始を返上し、デフレからの脱却、経済再生という明確なメッセージの下で編成された2012年度補正予算、続く13年度予算案は、「15カ月予算」と称されるように予見可能性を明示し、その本格的な執行を前に、株価の上昇や円高の是正など各種の経済指標を上向かせる効果をもたらしています。

その効果を持続させ、経済を本格的な成長軌道に乗せていくためには、予算を執行する中で、国民の期待を現実にいち早く形にしていくことが必要です。13年度予算案の早期成立を図り、「期待」を「信頼」に変えていく「結果を出す政治」が求められます。

一方、施策の推進、予算の執行に当たっては、スピード感と同時に国民に対する丁寧な説明と、理解を得る不断の努力が必要であることも申し上げておきたいと思います。

首相の訪米・TPP

今回の総理訪米で、日米関係が再構築されたことを高く評価します。一方、北朝鮮の核開発や尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化など、不安定要因を抱える北東アジア地域の安定と平和に果たすべきわが国の役割は、これまで以上に重要になっています。日米同盟を基軸に、新たな指導者が誕生した中国、韓国との関係改善を急ぐべきです。

オバマ大統領との会談で、TPP(環太平洋連携協定)について、全ての関税撤廃を前提としないことが確認され、これを受けて総理は施政方針演説で「今後、政府の責任において、交渉参加について判断する」との方針を表明されました。しかしTPPへの参加については、農業者をはじめ多くの国民が強い懸念を抱いており、交渉参加の判断に当たっては、特に、次の2点に配慮し、慎重に行うべきです。

一点目は、TPPが貿易のみならず、医療や保険、食の安全など国民生活に幅広く影響する包括的な協定であることから、国民への十分な情報の開示、丁寧な説明を行い、国益についての国民的なコンセンサス(合意)をつくるとともに、その最大化に努めること。

二点目は、農業は国の基であり、国土保全や環境保全など多面的な機能を有することや、食料自給率の向上をめざす方針との整合性などの観点から十分な検討を行い、守るべき農産品を明確にすることです。

大震災からの復興
復興加速への決意


未曽有の大震災と原発災害から、間もなく2年を迎えます。総理は就任早々から、大震災からの復興は内閣の最重要課題との方針を掲げ、「福島復興再生総局」の設置など復興庁の司令塔機能の強化や、復興予算枠25兆円への拡大などの取り組みを強力に進めてこられました。

この間に成立した12年度補正予算、また13年度予算案には、住民の定着を促進するための震災復興特別交付税の増額や、福島原子力災害避難区域等の帰還・再生を加速する事業、津波被災地域および原子力災害被災地域における雇用創出のための企業立地補助金など、復興加速策が多く盛り込まれました。

いずれも被災地の要望を踏まえたものであり、早期の執行が期待されます。さらに、わが党が主張してきた、高台への集団移転事業を促進するため、市町村による農地の買い取りを円滑に進めるための農地法の規制緩和も実現をしました。

今、被災者にとって一番必要なことは、復興の加速は当然ですが、住宅の再建や故郷への帰還などの見通しを示すことです。先の見通しが明確にならなければ、総理が強調された、被災者の方々の「希望」を創ることはできません。

災害廃棄物の処理完了を急げ

次に、具体的な課題について伺います。

雇用

被災した女性たちが力を合わせて運営し雇用を生み出している被災地の食堂のように、被災者自身が復興に貢献する企業を立ち上げることや、その企業を担う人材の育成を支援する「地域社会雇用創造事業」が今年度末で終了します。被災者からは今年度以降もこの事業による支援を継続してほしいとの声が多く寄せられています。復興推進調整費等で本事業を継続し、引き続き支援していく必要があると考えます。

用地取得の課題

被災地では今、土地所有者が不在・不明で災害公営住宅等を建設するための用地取得が進まないなど、土地の境界や権利等の問題が、復興の足かせになっています。現在、所有者等の所在を確認する体制強化のほか、土地収用法による収用手続きや民法の不在者財産管理制度など、現行制度を迅速に運用することで解決に向けた対応が進められていますが、十分ではありません。

この際、一定の検証を行った上で、被災地および復興期間に限り、土地収用法や民法等の改正も含め、復興事業のための用地取得の迅速化を図る特例法を設けるべきと考えます。

復興交付金の運用

現在、復興庁において5回目となる復興交付金の配分計画の検討が進められています。復興格差が指摘されるなか、被災の状況に即した復興のために、復興交付金の、より弾力的な運用とともに、基幹事業や効果促進事業の対象を拡大する抜本的な見直しが不可欠です。

中でも文化・観光施設の建設や災害公営住宅と市街地を結ぶ幹線道路の整備、ガス管の整備など被災地全体の復興に欠かせない事業を、早急に対象に加える必要があります。被災自治体からは「使ってはいけない項目だけを決め、それ以外は自治体の裁量に思い切って任せてほしい」との強い要望も寄せられています。

がれき処理

震災で発生した災害廃棄物の処理について、昨年12月末現在、岩手、宮城2県における処理の割合は46%にとどまっています。環境省によれば、広域処理や再生利用の推進、被災地における仮設焼却炉の増設等により、目標の明年3月までに完了することは可能との見解が示されています。

一方で、海底の砂やヘドロなどの津波堆積物、さらに福島県の災害廃棄物等については処理が進んでいません。災害廃棄物の処理は復興の第一歩であり、一日も早い処理の完了をめざすべきです。

以上、復興の加速に向けた諸課題について総理の答弁を求めます。

資材価格の高騰

昨年秋以降、被災地では復興需要の本格化に伴う生コンの不足や資材価格、人件費の高騰、技術者不足等が原因で、工事を請け負う落札業者が決まらない入札不調が相次いでいます。中でも、宮城県では今年度の復旧・復興工事の38%、仙台市では49%が不調に終わっています。

こうした状況を改善するため、現在、国交省において現地で生コンを生産する公設プラントの建設や、被災地と被災地以外の建設企業が共同受注する復興JV制度の導入などの実施・検討が進められています。これら対策の進展状況および抜本的な解決策について、太田国土交通大臣の答弁を求めます。

13年度予算・税制

13年度予算案について伺います。13年度予算案のポイントは復興予算の総額を確保したこと、補正予算と合わせて15カ月の経済再生予算としたこと、そして財政健全化に向けて第一歩を踏み出したことです。

復興予算については、25兆円という総額を確保したことにより、本格的な復興の進展が期待されます。支援の体制強化と併せ、被災の実情に沿って使い勝手良く、早急に執行することが求められます。

また12年度補正予算と合わせ「15カ月予算」としたことで、日本経済再生のための成長戦略を着実に実行できる予算となりました。財政出動や金融政策、税制などあらゆる政策手段を機動的に行使し、政策効果を引き出し、着実に経済を成長させることが重要です。

併せて3年ぶりに税収が公債発行額を上回る予算となったことは評価されます。世界経済の不確実性がいまだくすぶる中で、無駄のない財政出動と成長戦略によって税収を確保しつつ、安定的な財政健全化の道筋を示すことが重要です。

財政健全化目標の考え方、日本の財政の不確実性の解消を求める国際社会にどう応えていくのか、総理の答弁を求めます。

税制改正について伺います。13年度税制改正のポイントは、景気回復や成長戦略を後押しする法人税等の見直しや、社会保障と税の一体改革を着実に進めるための個人所得税等の見直し、消費税率引き上げに伴う対応措置です。特に法人税では従業員の給料をアップしたり、雇用を増やす企業を減税する雇用促進税制の創設が盛り込まれており、働く人の所得を向上させる効果をどう引き出すか、これが問われています。総理の答弁を求めます。

メンテナンス元年 維持・管理体制を見直せ
防災・減災

防災・減災について伺います。

命を守る公共事業

常に自然災害の脅威にさらされているわが国にとって、国民の生命と財産を守るための社会基盤の整備は最重要課題の一つです。特に社会インフラはその中核であり、整備強化は国民の命を守る防災・減災に直結します。

一方、インフラの整備をめぐっては、絶えず「バラマキ」との批判があります。国民の理解を得るためにも、今後の公共事業の推進に当たっては「国民の命を守る」視点を一層明確にすべきと考えます。

加えて、今後の公共事業で重要な観点は、社会インフラの将来を予測して計画的かつ、効率的に整備・管理する予防保全の考え方、アセットマネジメントの導入です。アセットマネジメントの導入で超長期にわたり社会インフラを安全に活用することが可能となり、コスト削減の効果も期待されます。

命を守る視点やアセットマネジメントの導入など、公共事業の在り方を大きく転換すべき時であると考えます。総理の見解を伺います。

インフラの総点検

多岐にわたる社会インフラは国民生活や経済活動を支える基盤であり、着実な総点検の実施や、補修・修繕が求められます。しかも、その管理主体は国だけではなく地方自治体にも及びます。

太田国土交通大臣は今年を「メンテナンス元年」と位置付けておられますが、まずは維持・管理体制の見直しに着手すべきです。

問題は、施設の管理者や建設年次、維持・管理の履歴といったデータが蓄積されていないことや、同一の施設であっても点検の手法や適用される基準にばらつきがあるということです。点検についての基本的、統一的なルールが確立されなければ、点検そのものの信頼性をも脅かしかねません。早急にルールを策定すべきです。

地方自治体への支援も欠かせません。「防災・安全交付金」の創設で財政支援は進みますが、職員不足に対する支援も必要です。地方自治体における土木部門の職員数は建設投資のピーク時である1992年度で約18万8000人が在籍していましたが、11年度は約14万2000人と、25%も減少しています。国土交通省が持つ研究機関や地方整備局などが地方自治体を支援する体制の構築に力を注ぐべきです。

建設産業への支援

社会インフラの点検、維持、管理に対する認識が深まる一方、補修や修繕を担う肝心の建設産業が弱体化しています。その原因は近年の急激な建設投資の減少です。

建設投資額は92年の84兆円をピークに、現在では46%も減少し、これと軌を一にして建設事業者は人員削減や重機の放出に踏み切るなど、企業規模を縮小せざるを得ない状況にあります。今や地域の建設産業は、地域のインフラを守る役割すら果たすことが困難になりつつあります。

この実態を放置すれば、東日本大震災からの復興のみならず、今後、全国的に展開される社会インフラの補修や修繕、防災・減災対策にも支障が出ることは明らかです。

建設産業への支援、とりわけ人材確保について、国土交通大臣の見解を伺います。

製造業復活へ 大胆な支援、規制改革を
デフレ脱却

デフレからの脱却と国民生活の向上について伺います。

デフレによる消費低迷から生産の停滞、そして所得の減少につながる悪循環を断ち切らなければ日本経済の再生はありません。政府は、大胆な金融政策、機動的な財政運営、民間投資を喚起する成長戦略を「三本の矢」としてデフレ脱却に取り組んでおり、経済界や市場関係者などからも高い評価を得ています。これからの課題は成長戦略の具体化であり、成長の成果を雇用や所得の増加など国民生活の向上につなげていくことです。

政府は成長戦略の柱の一つに、製造業の復活をめざす「日本産業再興プラン」を据えることを決定しました。製造業就業者数が1000万人を割ったとはいえ、「ものづくり」は日本経済の重要な支え手であり、再興プランの方向性を評価します。

製造業の復活に当たっては、「6重苦」と言われる障壁を取り除くのみならず、技術革新・イノベーションや人材育成、有望な技術を丹念に探し出して産業化するなど、企業の規模や実績にとらわれない支援を大胆に行うべきです。

若者や女性に特化した支援も必要です。競争力を高めるためには、イノベーションの推進による新産業の育成が重要であり、新しい発想を持つ若者や女性に特化した支援策の導入で、新たなビジネスモデルが生まれると考えます。

成長戦略のもう一つの柱が規制改革です。障壁を乗り越えて成長を実現するために、緊急性の高い項目から大胆に規制緩和すべきです。一方で、昨年4月に、関越自動車道で発生した高速ツアーバス事故に象徴されるように、行き過ぎた規制緩和が過当競争を生み、働く人の健康や安全が損なわれるような弊害を招くことがないよう十分な配慮が必要です。これまでの規制改革を検証し、地域や現場の実情を踏まえた改革になるよう留意すべきです。

暮らしに豊かさをもたらすためには、経済成長とともに雇用の安定が不可欠です。正規雇用と非正規雇用の間にある賃金、待遇などの格差の是正や、フリーターなどの若年者雇用対策の抜本的強化、ワーク・ライフ・バランスの実現等に力を入れるべきです。

総理は経済財政諮問会議の席上、産業界に対し「報酬の引き上げなどを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と発言されました。また先日、私も経団連との意見交換で、可処分所得を増やすために労働分配率を引き上げるよう要請しました。労働分配率を引き上げるとともに、柔軟な働き方への改革を実現し、経済成長による格差の拡大や固定化が生じないよう、最大限の配慮を行うべきです。

地域の活性化

地域の活性化について伺います。地域経済を支える中小企業支援について、12年度補正予算と合わせ13年度予算案でも、ものづくり中小企業のための技術開発支援や中小・小規模事業者の経営支援、女性や若者をはじめとした、意欲ある経営者が行う新商品や新サービスの開発支援のための予算が盛り込まれたことを評価します。

また地域の活性化のためには、まちづくりが重要です。06年、疲弊する中心市街地を活性化させるため、中心市街地の立地ポテンシャルを高めることを目的として、まちづくり3法が改正されました。ところが、人口や行政施設などは微増したものの、思うように民間投資が進まず、活性化したとはいえない状況にあります。

地域の歴史や文化を踏まえつつ、安全かつ効率的で将来にわたって持続可能なまちづくりが可能となるよう、まちづくり3法の改正や税制、規制改革等、省庁横断的に取り組むべきと考えます。総理の見解を伺います。

経営安定のための法制化が必要
農林水産業

農林水産業について伺います。

近年、世界的に食料需給が逼迫傾向を強める中、国内では農業従事者の高齢化や後継者問題など課題が山積しています。担い手育成や経営安定対策、基盤整備などにより安心して農業が続けられる環境をつくるとともに、輸出促進や市場拡大にも一体的に取り組む「攻めの農業」を推進すべきです。

担い手の育成については、新たに農業を始めた人材が技術を習得し、自立した経営者となるまでの間、息の長い就農・定着支援が必要です。

また農業収入を安定させ、魅力ある産業とする経営安定策が必要です。民主党政権下で導入された戸別所得補償制度は、多額の予算を計上したものの、法律に基づかない不安定な制度でした。13年度予算案では名称を「経営安定対策」として、制度自体は維持し現場の混乱を防ぐこととしていますが、農業経営の安定のためには法定された制度が必要であり、早急に法制化に取り組むべきです。

また13年度予算案では、「農業農村整備事業」など、前政権下で大幅に削減された事業を復活しました。これらの事業は、農業生産力の向上や多面的機能の強化、防災・減災対策を促進する内容となっており、農業の持続的な発展に必要なものと認識しています。

農地が有する多面的な機能は都市部においても重要であり、都市農園のニーズも高まっています。13年度予算案では、都市の農地に関する交付金の創設が盛り込まれていますが、今後、都市農業の位置付けを明確にしつつ、さらに力を注ぐべきと考えます。

林業については近年、国産材の需要が拡大しており、これを木材自給率の向上につなげていくべきです。また林業は国産材の供給のみならず、温暖化対策や水源かん養、生物多様性の保全など多面的な機能が持続的に発揮されるよう、一層の対策が求められます。後継者不足や高齢化に対応し、担い手の育成・定着支援に一層力を入れることが必要です。その意味からも13年度予算案で、農業分野でニーズの高い青年就農給付金と同様の制度が、林業・漁業分野でも導入されることは評価されます。

世界有数の豊かな漁場を持つ日本において、漁業は水産資源の安定的な供給のみならず、海岸保全などの多様な役割を担う重要な産業です。しかし、近年の漁業を巡る状況は、高齢化による就業者数の減少や燃油の高騰など課題が山積しています。

漁業を持続的に展開し、多面的な機能をさらに発揮させるために、経営安定への支援や人材育成支援など、総合的な取り組みが必要です。また漁船の燃油高騰対策も喫緊の課題であり、対応が求められています。

医療・介護

国民の健康を守る医療制度について伺います。

まずは、高額療養費制度です。患者の自己負担に一定の上限額を設ける高額療養費制度について、抜本的に見直すべきです。

その第一は、低所得者への配慮です。具体的には、70歳未満の一般所得者の区分に新たに年間所得300万円以下の世帯区分を設け、月単位の負担上限額を4万円程度に引き下げることを提案します。

第二は、年間医療費は同じでも、月単位であれば高額療養費が支給されない場合もあることなどを踏まえ、負担上限額に年間の上限額を設けるよう提案します。その他、世帯合算の仕組みなども検討すべきです。

次に難病対策です。難病患者の長期にわたる療養と社会生活を支えるとともに、これまで原因の解明すら行われていない疾患について研究事業や医療費助成の対象に選定することを含め、抜本的な見直しを行うべきです。難病の原因究明や治療法の研究開発、医療・看護等の提供体制の確立も欠かせません。

これらの課題解決に向け、法整備を含めた総合的な支援策が必要と考えます。

総理の答弁を求めます。

介護保険制度について伺います。

今後のさらなる高齢化を見据え、訪問介護・看護サービスの大幅拡充やICTの活用も含め24時間365日利用可能な在宅支援サービスの基盤整備、サービス付き高齢者向け住宅の整備・拡充などが必要です。また介護サービスを支える介護・看護人材の確保、従事者のさらなる処遇改善も必要です。

一方、介護保険を利用せずに元気に暮らしている高齢者に対し、介護予防などの取り組みを評価し、国民が健康増進に、より意欲を持てる環境づくりも進めるべきではないかと考えます。

以上、介護保険制度の持続性を高める取り組みについて、総理の答弁を求めます。

最後に、昨年12月26日の連立政権発足から2カ月あまり。劇作家であり有名な文明評論家でもある山崎正和氏は、今回の民主党政権から自公連立政権への交代を、「変革願望の幻滅」の裏返しとしての「現実改善への回帰」と捉えることができると分析し、その上で、安倍内閣が取るべき選択は、「『小さな現実の物語』をじっくりと落ち着いて観察し、『小さな改善の物語』を確実に紡いでいくことだ。現実政策への回帰、これが夢から覚めた日本が取るべき選択なのである」と、述べておられます。

山崎氏の指摘通り、今、私たちに求められているのは、目の前にある課題を一つ一つ解決し、確実に成果を積み重ねていくこと。12年度補正予算の早期執行とともに、13年度予算の早期成立を図り、予算を執行する中で国民の「期待」を「信頼」に変えていくことだと思います。

私たち公明党は、安倍内閣とともに「結果を出す政治」を加速する決意をあらためて表明し、代表質問といたします。

井上幹事長に対する安倍首相らの答弁(要旨)
【安倍晋三首相】

一、(被災地の住宅再建などの見通しについて)仮設住宅等での居住を余儀なくされている避難者に希望を持っていただけるよう、住宅再建の見通しを示すことが重要だ。政府として、住宅再建や街づくりの工程表および住宅や宅地の建設戸数の年度別目標、原子力災害の被災地における早期帰還や定住に向けたプランを作成している。早期にとりまとめ、示したい。

一、(復興交付金の運用柔軟化について)復興のために必要な事業のうち、災害復旧など他の制度で対応すべきもの以外については、被災地からの要望を踏まえ復興交付金で対応できるよう運用の柔軟化を図る必要がある。私から復興相に対して運用の柔軟化を図るよう検討を指示したところであり、第5回の復興交付金の配分と併せて近日中に結論を得る。

一、(成長戦略について)日本経済再生本部において私自身が矢継ぎ早に具体策を判断し、次々と実行していく。企業の競争力強化が働く人の所得の増大につながらないと持続的な経済成長は望めない。成長の成果を雇用や所得の増加など国民の生活向上につなげていきたい。

一、(難病対策について)政府として厚生労働省の審議会の提言も踏まえ、できる限り早期に総合的かつ安定的な難病対策を構築できるよう法制化、その他必要な措置について調整を進めていく。

【太田昭宏国土交通相】

一、(防災・減災に対する施設の総点検について)点検ルールについて現在、国交省として基準やマニュアルの見直しなどを進めている。市町村では職員数が少ないなど体制に問題があるため、職員に対してより広範な研修などを実施するとともに、個別の技術的な相談を開始した。今後とも支援体制の一層の充実を図っていく。「メンテナンス元年」として厚みを増す取り組みを重点的に進める。