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プロフィール

井上義久

Author:井上義久
衆議院議員(公明党:比例区東北ブロック)富山県富山市出身
東北大学工学部金属加工学科卒業。

現役職:公明党幹事長

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  • 「がん対策」について公明新聞のインタビューを紹介します

法制化で井上義久政調会長に聞く



「患者登録」義務づけ必要
緩和ケア充実で苦痛から解放
今国会で成立期す





 公明党がん対策推進本部が3月23日に決定、発表した「がん対策推進法」(仮称)の要綱骨子に、多くの期待の声が寄せられています。近く与党内で法案化作業が開始されますが、要綱骨子づくりに携わってきた井上義久政務調査会長(衆院議員)に、その意義やポイントについて聞きました。

 ――「公明党は、がん対策に熱心だ」との声を聞きますが。

 ◆日本では今、(人生で)国民の2人に1人が、がんにかかり、3人に1人は、がんで死亡しています。しかも、10年後には2人に1人が亡くなる時代になる。がんはまさに“国民病”であり、国を挙げて取り組むべき課題となっています。

 そうした背景を踏まえて公明党は、がん対策に格段の力を入れてきました。これまでも国の「対がん10カ年戦略」や予算措置の拡大などを一貫して推進してきました。

 特に昨年からは、党の「がん対策プロジェクトチーム(PT)」を中心に勉強会や視察を活発に行い、11月には「がん対策法」の制定を含めた提言を発表し、政府に申し入れています。

 また、今年1月には、党PTを「がん対策推進本部」(本部長=浜四津敏子代表代行)に格上げし、今国会では神崎代表や私も衆院の本会議代表質問や予算委員会で取り上げて国家戦略として対策の推進を主張。そして3月23日に、党独自の「がん対策推進法案」の要綱骨子を発表したところです。

3本柱で本格的体制を構築

 自民党とは既に、法案の今国会提出で合意していますから、近く設置する与党PTで、公明党案をたたき台に、できるだけ早く法案を取りまとめ、何としても今国会で成立させたい。

 ――公明党のがん対策法案のポイントは。

 ◆三つあります。一つは、がん患者の痛み、苦しみを和らげる「緩和ケア」の充実。二つ目は、治療に極めて有効でニーズ(需要)も急増している「放射線治療」の専門医の早急な育成。三つ目は、患者が最適な治療を受けられるようにするために欠かせない「がん登録」制度の実施です。

 この3点が、現在の日本の、がん対策で欠けている点ですから、公明党はこれを柱に、国家戦略として本格的に取り組む体制をつくりたい。

 ――「緩和ケア」を重要視する理由は。

 ◆がん患者には、進行状況によって治らない人がいますが、その多くは激しい痛みと精神的な苦しみで七転八倒の日々を過ごす人も少なくありません。ところが、「緩和ケア」をきちんとやれば、痛まないし苦しまない。生活の質(QOL)も確保できる。この苦痛からの解放は、がん患者の「人権」を尊重することにつながります。既に世界標準となっている「緩和ケア」が、日本では極めて立ち遅れていますから、ここを大きく変えないといけません。

500人しかいない専門医

 例えば、緩和ケアの中心であるモルヒネの投与も口から飲む分には安全なのに、わが国では「麻薬中毒になる」との誤解が根強く、使用量は欧米に比べて格段に低いままです。緩和ケアについて、医師や看護師、薬剤師などに教育・普及を徹底し、早い段階から治療と並行して受けられる態勢を構築しなければならないと考えています。

放射線治療医の育成急務

 ――放射線治療の専門医の不足は深刻といわれます。

 ◆その通りです。がんの治療法は主に、手術治療、放射線治療、化学療法(抗がん剤)の三つですが、放射線治療の需要が増えているのに、その専門医は全国で約500人しかいません。

 わが国では、これまで胃がんなどが多かったので「手術治療」が主流でしたが、食品の衛生状態が良くなるにつれて発症例は減少。代わって乳がんや前立腺がんなど「放射線治療」が有効ながんが増えています。

 米国では現在、がん患者の65%が放射線治療を受けていますが、日本でも10年後には国民全体の4人に1人が放射線治療を受けるようになると推測され、500人程度では到底、対応できません。治療の主役が外科的治療から放射線治療へと移行しつつある中で、放射線腫瘍医など放射線治療の専門医の育成が急務です。

 併せて、放射線治療機器の品質管理を行う「放射線治療品質管理士」などの育成も必要です。大学教育の段階から、放射線治療のための講座の開設や専門医・医療スタッフの育成、さらに、がん診療に従事する医師に研修機会を提供していくことが不可欠です。

 ――がん登録の実施を急ぐのは、なぜですか。

 ◆結核は、患者さんの個人情報を含めて登録が法律(結核予防法)で義務づけられていますから、国内の罹患状況が正確に把握されています。同様に、がんと診断された人の年齢や性別、居住地、がんの種類などの情報や、治療法とその結果をきちっと把握すれば、がんの種類別、進行度別の正確な治療成績も分かりますから、どのような治療法が有効かなど、今後の戦略的取り組みを検討する上で不可欠な情報が得られることは間違いありません。

がん医療の地域格差是正を

 米国では、がん登録に基づく戦略的取り組みが奏功して、死亡率が減少しています。また、国民がいつ、どこに住んでいても質の高い医療を受けられるという「がん医療の均てん化(格差是正)」を進めるためにも、がん登録の義務化を急がなければなりません。

 財源の確保と個人情報保護の対応が当面の課題となりますが、そこは自民党としっかり検討し、対応していきたいと考えています。

 ――その他の課題は。

 ◆治療とともに重要なのは、がんの「予防」と「早期発見」です。予防については、米国が実施したような「禁煙キャンペーン」も重要な柱として検討されるべきだと思いますし、早期発見では、子宮頸がんや大腸がんなど検診の有効性が確認された部位については、受診率を高めていくことが必要です。一方、未承認薬の使用が患者にとって大きな負担となっていますので、治験を終えた抗がん剤の速やかな審査体制の整備とか、「抗がん剤等や医療機器の早期承認」も推進していくことが重要です。