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プロフィール

井上義久

Author:井上義久
衆議院議員(公明党:比例区東北ブロック)富山県富山市出身
東北大学工学部金属加工学科卒業。

現役職:公明党幹事長

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  • 衆院代表質問要旨、首相答弁要旨

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11月1日(木)、野田佳彦首相の所信表明演説に対し代表質問を行いました。要旨は次の通りです。

総理、臨時国会は異例の幕開けとなりました。参議院で総理の所信表明演説を拒否されるという前代未聞の事態です。それも先の通常国会で総理の問責決議が可決されたにもかかわらず、あなたが円満な審議ができる環境を整えずに開会を強行した結果であり、憲政史上に重大な汚点を残しました。

衆議院で行った所信表明演説も言葉の羅列で、政権を担う目標も覚悟もうかがえません。総理が訴える「決断する政治」の最初になすべきは、「近いうちに国民に信を問う」約束を実行することであると、まず冒頭に申し上げます。

総理、あなたが就任してから1年2カ月。今回で実に4回の組閣・改造が行われました。民主党自らが言ってきた「1内閣1閣僚」は全くのうそでした。

民主党は野党時代、閣僚が代わるたびに「ポストのたらい回し」と批判してきました。また、総選挙を経ずに3人の総理が誕生したことも徹底的に攻撃してきました。しかし政権に就くや、それを上回る「ポストのたらい回し」が常態化しているではありませんか。

その象徴が、国会に一度も出席せず答弁にも立たなかった田中慶秋前法務大臣です。田中前大臣は、外国人からの献金や暴力団関係者との交際もあった。そのような人物をなぜ、よりにもよって法務大臣に任命したのか。総理の任命責任は極めて重い。

また、田中前大臣の辞任により、民主党政権下の拉致問題担当大臣は8人目になりました。こんなことで腰を据えた交渉ができますか。「もうどうでもいい」という“投げやり人事”としか思えません。

そればかりか、今回の改造は、これ以上の離党者を出さないための配慮が働いたとも指摘されています。適材適所とは程遠い、能力や資質より党内事情を優先した、全くの「内向き人事」ではありませんか。

ほかにも、民主党の看板政策であった少子化対策担当大臣は、この3年間で10人目、消費者担当大臣も9人目です。猫の目のようにクルクルと閣僚が代わる。マニフェストの総崩れと同様、「政治主導」も総崩れ、もはや政権の体をなしていません。

課題解決先延ばしの“死に体”内閣

3党党首会談

先月19日、民主・自民・公明3党の党首会談が行われました。3党の党首選から実に3週間以上が無為に経過した後の党首会談でした。

総理、あなたは8月8日、当時の自民党の谷垣総裁とわが党の山口代表に対して、「近いうちに国民に信を問う」と約束をしました。そして、今回の党首会談に先立って、3党幹事長会談で民主党の輿石幹事長は、解散に関して総理から「具体的で新しい提案がある」と確約をしました。

ところが、ふたを開けてみると、あなたは、「責任は十分自覚している」「条件が整えば、きちっと自分で判断したい」と述べただけで、具体的で新しい提案は全くありませんでした。そして、その条件整備として、特例公債法案の成立や衆議院の「一票の格差」是正、社会保障国民会議の早期設置の3点を求めました。

しかし総理、それらの課題の解決を先延ばししてきたのは、むしろ政府・与党ではありませんか。それにもかかわらず、その責任を野党に転嫁するのは本末転倒であり、政府・与党としての自覚もなく、責任も放棄していると言わざるを得ません。

加えて、「近いうちに国民に信を問う」と約束した時点で、野田内閣は既に「レームダック=死に体」であり、諸外国から外交交渉や合意の相手と見なされていません。いたずらに時を過ごすことが外交課題の解決を遅らせ、国益を損ないます。

しかも、年度を通じて執行に責任を負えない平成25年度予算の編成に着手しようとしている。もはや政権の延命、時間稼ぎと断じざるを得ません。

8月の「3党合意」で「近いうちに国民に信を問う」とした「近いうち」とは、少なくとも「年内」が常識です。

総理、今こそ、あなたの勇気ある決断で政治を大きく前に進めるときではありませんか。その覚悟を示せ、と強く申し上げたい。

民主党3年間の失政

民主党が政権交代を果たしてから3年。振り返れば、国民の期待もむなしく、数多くの失政を繰り返し、国民を裏切り続けた3年間でした。

第一に、マニフェストの崩壊です。

民主党は衆院選マニフェストで子ども手当、月額7万円の最低保障年金、暫定税率の廃止、高速道路無料化など、華々しい政策を掲げました。しかも、これらに必要な16.8兆円の財源は、消費増税をしなくてもムダの削減や予算の組み替えなどで十分確保できるとしながら、民主党自身が「実現可能性について、検討・検証が不十分な部分があった」と認めているように、結局、財源を調達できず、看板倒れに終わりました。

マニフェストの総崩れで、国民の政治不信を増大させた責任は極めて重大です。

第二に、外交・安全保障政策の迷走による国益の喪失です。

鳩山政権での普天間基地問題の迷走にはじまり、菅政権での尖閣沖漁船衝突事件をめぐる弱腰外交、そして野田政権での領土をめぐる問題と日中、日韓関係の悪化など、国益を損失し続けています。

これ以上、民主党政権にこの国の外交・安全保障を任せるわけにはいきません。

第三に、東日本大震災からの復旧・復興の遅れと原発事故対応の混乱です。

民主党は、震災直後から「遅い、鈍い、心がない」対応を繰り返し、被災地の復旧・復興の足かせとなりました。

今に至っても、到底、被災地の思いに即した対応とはなっていません。例えば、あなたが所信で触れた仮設住宅の「追いだき機能の追加」も、公明党の2回にわたる仮設住宅総点検の結果から、再三再四、設置を求め、ようやく実現したものです。あまりにも対応が遅い。これ以上の復興の遅れは許されません。

また、東京電力福島第1原発事故の対応についても、政府、国会、民間、東電のそれぞれの事故調報告は、菅前総理ら官邸の強引な介入が「混乱をもたらした」との見解でおおむね一致しています。

民主党の政治主導が誤っていたことは、もはや客観的評価となっており、この政治による「人災」の責任は逃れられるものではありません。

第四に、経済無策による日本経済の悪化です。

経済問題は後ほど触れますが、民主党政権は、円高・デフレに対し、何ら効果のある対策を打てず、日本経済は低迷しています。

民主党政権には、もはや日本経済を再生する知恵も実行力もありません。

第五に、水膨れ予算による財政の悪化です。

事業仕分けも掛け声倒れに終わり、歳出削減の努力も中途半端で、予算の水膨れも是正できていない。これでは、国債市場からの信用も失われかねません。

以上、民主党政権3年間の失政は明白であり、「国民の生活が第一」どころか、国民生活を台無しにし、国益を損ねた責任は極めて大きいことを強く指摘しておきます。

歴代民主代表の疑惑が不信を増大

政治とカネ

政治とカネの問題もあります。

鳩山元代表の、母親からの巨額の資金提供。菅前代表の、「市民の会」と称する政治団体側への献金。小沢元代表の、資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反事件。これら民主党の歴代代表に関する「政治とカネ」の疑惑に対し、証人喚問はおろか参考人招致、政治倫理審査会の開催さえも一度も行われておらず、国民に対する説明責任は全く果たされていません。

加えて、野田総理自身にも外国人からの献金問題。さらには、現職閣僚である前原・国家戦略担当大臣の事務所費問題も指摘されています。

公明党はこれまで、クリーンな政治を実現するために、秘書など会計責任者に対する政治家の監督責任を強化する「政治資金規正法の改正」や、「企業団体献金の禁止」を実現すべきだと、一貫して主張してきました。

これに対し民主党の歴代代表は、野田総理自身も再三再四、国会答弁で実現に前向きな発言を繰り返してきました。しかし結局、政権交代以来3年間、実現のための努力をしてこなかったではありませんか。

一方、自公政権下では、与党が主導して、資金管理団体に対する企業・団体献金の禁止、政治団体間における寄付の制限、資金管理団体による不動産取引の禁止、1円以上の支出についての領収書の公開など、数多くの法改正を実現してきました。この差は歴然です。

与党でありながら、クリーンな政治の実現に背を向け、法改正を積極的に行うことなく、むしろ国民の政治不信を増大させた民主党は、もはや「政治とカネ」の問題にけじめをつけられない政党である、と断じざるを得ません。

流用問題 政府の予算執行に原因

被災地の復興

復興に向けた課題は、被災地の実情により、刻一刻と変化していきます。政治は、こうした状況変化を敏感にキャッチし、被災者に寄り添い、迅速かつ的確にそのニーズに応えていかなければなりません。

その一つが、住宅再建です。被災された方々の多くは生活再建の要となる住宅再建の希望を持ちながらも、二重ローン問題など経済的な理由などで、具体的な一歩を踏み出せないのが現状です。被災者の状況に即した、よりきめ細かな支援が求められています。

今般、復興予算が本来の趣旨に沿わない事業に流用されていたことが明らかになりました。被災地のみならず増税による負担をお願いした国民に対しても、言い逃れのできない、復興事業の信頼を損ねる許し難い事態です。

この問題について、与党の側から、民主・自民・公明3党の協議でまとめた「東日本大震災復興基本法」に原因があるかのような責任逃れの発言がありますが、筋違いも甚だしい。

復興基本法に基づき政府が決定した「復興の基本方針」の本来の趣旨を都合よく解釈し、流用を認めた政府・与党の予算執行にこそ、原因があります。

「調査捕鯨妨害対策事業」や「受刑者の職業訓練事業」などがこの基本方針に合致するのか否か、確認するまでもありません。問題の本質は政府の予算執行能力の欠如にあると厳しく指摘しておきます。流用された事業の予算の組み替えや執行停止を求めます。

復興を加速させるためには、早急な「がれき処理」が欠かせません。

岩手と宮城で発生した約2400万トンの「がれき」のうち、処理されたのは9月末時点でわずか22.6%にとどまっています。政府は2県の「がれき処理」を、今年度末までに53%終える中間目標を掲げていますが、その実現のためには焼却施設の増強や作業の加速化が求められます。

一方、福島においては、今なお16万人、そのうち6万人の方々が県外に避難生活を余儀なくされています。一日も早く、ふるさとに戻り、安心して暮らせるようにするためには、着実な除染が必要です。

特措法に基づき各自治体で除染が進められていますが、中間貯蔵施設や最終処分場の建設先が決定しておらず、このことが除染の遅れにつながっています。建設地の選定を急ぐべきですが、候補地として挙げられた自治体の住民理解を第一に、丁寧かつ迅速に進めるべきです。

被災地では今、復興事業の実施そのものが困難になっています。

工事量の急増によって作業員や土木技術者は慢性的に不足し、作業員の宿舎も足りない。建設資材の価格も上昇し、調達さえも困難になっています。これらの要因が重なり、各地で入札の不調がたびたび発生しています。

復興事業が国や自治体、民間でそれぞれバラバラに進められている上、発注が短期間に集中していることもその要因の一つです。こうした事態が放置されれば、復興は遠のくばかりです。

復興を着実に進めるためには、復興庁が主導し、自治体も含めて、計画的に発注する仕組みを作る必要があります。工事価格についても、資材や労務単価などの実勢価格を予定価格へ柔軟に反映できる仕組みを導入することが必要です。

生活壊す 民主党による「政治不況」

景気・経済

世界経済の減速傾向が明らかになっています。わが国も復興需要による効果があるとはいえ、輸出や生産が大きく減少するなど景気後退の傾向が顕著です。雇用情勢も依然厳しいままです。さらには日中関係の悪化が、輸出や観光の不振となって実体経済に影を落としています。

特に、中小企業は極めて厳しい状況です。昨年は円高倒産が過去最高を記録し、今年も年度末に向けて予断を許しません。中小企業の資金繰りの安定化はもちろん、経営改善・事業再生支援などを一層強化しなければなりません。こうした中で、金融円滑化法が来年3月で期限を迎えます。「出口戦略」を加速的に実行に移すとともに、円滑化法の再延長の必要性を含めた検討が必要です。

先般、日銀は追加の金融緩和策を決定し、併せてデフレ脱却に向けた政府と連名の共同文書が出されました。この点は、現下の経済状況に対応するものとして、一定の評価をしますが、金融政策だけではなく、本格的な需要創出策を含めた取り組みを強化する必要があります。

そうした観点から、日本経済再生へ、早急に本格的な補正予算の編成・執行を含む切れ目のない景気・経済対策を講ずることが必要であることは、明々白々です。にもかかわらず総理は、11月中の経済対策の策定を指示する一方で、本格的な補正予算の編成を先送り。本臨時国会召集直前のどさくさの中で、小手先だけの予備費活用の決定をしました。

予備費の歳出化は、当初の歳出予算に組み込まれた枠内での実施にとどまるもので、新しい真水が追加投入されるわけではない。景気刺激効果は極めて限定的です。こうした中途半端で、逐次投入のようなやり方ではなく、堂々と補正予算を編成すべきだったのではないでしょうか。

そもそも民主党政権になって3年、デフレ脱却はおろか、為替も円高水準が高止まりのまま放置され、国民は「景気が回復した」という実感を一度たりとも持てませんでした。これ以上、民主党による「政治不況」によって国民の生活が壊されるのを見過ごすわけにはいきません。

総理、あなたが今唯一できること、すべきこと、それは一日も早く解散し、総選挙を行うことです。そして、国民の民意を得た新しい政権が経済対策や予算編成を実行に移す。これに尽きるのではありませんか。

再生医療の加速的推進

山中伸弥・京都大学教授のノーベル医学・生理学賞受賞が決定しました。

科学技術振興、特に再生医療研究への支援拡充を訴え続けてきた公明党にとりましても、今回の受賞はひときわ感慨深く、心から祝福申し上げます。

山中教授が研究を進めている「iPS細胞」技術は、世界中の人々が期待してやまない夢の再生医療実現への弾みとなるばかりか、日本発の画期的な技術が日本再建の大きな力になることが期待されます。

世界に先駆けて「iPS細胞」による再生医療の実用化と新産業を創成するため、国家を挙げた支援体制を構築すべきです。予算の拡充はもちろんですが、加えて、研究者・スタッフ・事務員が、チームとして研究に集中できる仕組みが必要です。そのため、継続的な雇用が可能となるよう、スタッフの雇用環境の整備や、人件費等に掛かる研究資金の使途の柔軟化などの対策を積極的に講ずるべきです。

今、世界では「iPS細胞」を再生医療や薬の開発に応用するための研究が急速に進んでいます。この「iPS細胞」の優れたもと(ソース)となるのが、公明党が推進してきた「さい帯血」です。わが党が主導し、9月6日に成立した造血幹細胞移植推進法により、移植に適さない「さい帯血」を研究目的で利用できる規定が入りました。「iPS細胞」の研究ではわが国は世界のトップを走っていますが、世界中で激しい競争が続いています。

何としても移植可能なレベルの「iPS細胞」第1号をつくり出すために、そして何よりも治療を待ち望んでいる患者さんたちのために、一刻も早く「さい帯血」を「iPS細胞」の研究に利用できるようにすべきだと考えます。

外交・安全保障

日本政府による尖閣諸島の国有化に端を発し、中国各地で反日デモが広がり、日本の接続水域では中国艦艇が航行を繰り返すなど、日中関係は極めて厳しい状況にあります。

尖閣諸島は日本が今日まで実効支配を続けてきており、これを安定的に継続するためには、同海域での海上保安庁の人員増や監視・警戒態勢の整備・強化が必要です。また、日本の領土である根拠を国際的に知らしめる広報が重要であり、政府の対応はいずれも後手に回っていると言わざるを得ません。

一方、日中関係はアジアの平和と安定のために最も重要な二国間関係であり、あらゆるパイプを通して関係の改善を図る努力が必要です。竹島問題は、国際法にのっとり、冷静に平和的な解決をめざすべきです。その意味から、国際司法裁判所への単独提訴をはじめ、あらゆる手段を講じて国際世論に訴えていくべきです。

普天間移設問題をめぐる政府の対応や、オスプレイの配置問題などにより、沖縄県民の不信はますます高まっています。

沖縄防衛局長の不適切発言や、手続きを強行した辺野古移設に関する環境影響評価書の提出、そしてオスプレイの配備の強行など、民主党政権は沖縄県民の不安と不信を増幅し、普天間の解決を一層困難なものにしました。オスプレイについて公明党は、安全面で地元の理解を得られない限り、配備・運用すべきではないと主張してきました。こうした声に耳を傾けず、県民の不信を決定的にした責任は、民主党政権にあります。

さらに沖縄でまた、米兵による卑劣で悪質な犯罪が起きました。沖縄県議会は先月22日、日米両政府に抗議し、日米地位協定の見直しなどを求める決議と意見書を全会一致で採択しました。

基地負担の軽減を求める声が無視され続けた沖縄の怒りに対し、日本政府の対応が厳しく問われています。

低所得者対策など 民自公3党に完結への責任

社会保障と税の一体改革

さて、先の国会で、民主・自民・公明の3党合意により、社会保障と税の一体改革関連法が成立した意義は、誠に大きいものがあります。

引き続き一体改革の完結に向け、低所得者対策の具体化や「社会保障制度改革国民会議」における具体像の明確化など残された課題に、3党は責任を持って取り組まなければなりません。一体改革は、今後も3党合意に基づいて着実に進めるべきです。以下、具体的な3点について、申し上げます。

一点目は「景気条項」です。消費税率引き上げに当たり、経済状況の好転について種々の経済指標を確認し、併せて政策目標として実質2%程度の成長をめざすこととしています。そのためにも、日本経済の再生に向けた経済対策を断行し、経済状況の好転に全力を挙げるべきです。

二点目は「社会保障制度改革国民会議」の設置です。

社会保障制度改革推進法では、有識者からなる「国民会議」を設置し、一体改革関連法で具体化されなかった医療や介護制度等を含め、社会保障制度改革について議論し、来年8月21日までに結論を出すこととなっております。

公明党は、さらなる医療・介護制度の充実をめざし、特に、がん対策の強化や難病対策の抜本的拡充、高額療養費制度の見直しなどを通じた負担の軽減を図ることが重要と考えます。また、訪問介護・看護サービスの大幅拡充や、介護従事者の待遇改善などによる介護サービス基盤の整備充実にも取り組むべきです。

なお、今後の公的年金制度や高齢者医療制度の改革については、3党合意にある通り、「あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議をする」ことをあらためて確認しておきます。

会議の設置に当たっては、有識者の人選を含め、3党が責任をもって協議・合意したうえで、議論を開始すべきであり、政府・与党はその環境整備に努力すべきです。

三点目は、消費税率引き上げに当たっての低所得者への配慮です。

税率の引き上げに際しては、低所得者ほど負担が重くなる逆進性への対応が不可欠です。当初の政府案で検討されていた「給付つき税額控除」と「簡素な給付措置」に加え、公明党が3党協議で強く主張して盛り込まれた「軽減税率」の具体的な制度設計が求められます。

10月16日、公明党は政府に対し、軽減税率や被災地への特例措置の導入、中小企業の価格転嫁対策を含め、署名簿を添えて申し入れを行いました。各地から集まった署名の数は実に600万人に上り、軽減税率の導入を求める声が日増しに高まっております。

政府は、多くの国民が実現を望んでいるという事実を真摯に受け止め、具体的な検討作業を急ぐべきです。

立党精神に立脚し諸課題に挑戦

日本再建―公明党の決意

民主党が政権を担当して3年。内政・外交にわたる数々の失政、稚拙な政権運営など、民主党に政権担当能力がないことは、誰の目にも明らかです。

総理が約束した「近いうち」に行われる総選挙は、民主党に政権の座から退場してもらい、「日本再建」のスタートを切る選挙にしなければなりません。

公明党は「日本再建」のために、特に次の3点が重要と考えます。

その第一は、東日本大震災からの復興と福島の再生、「命を守る防災・減災対策」です。

老朽化した社会インフラの再構築などハードの対策と防災教育・防災訓練の推進などソフトの対策を組み合わせた「防災・減災ニューディール」を推進します。具体的には、首都直下地震や南海トラフ巨大地震、豪雨、竜巻などの大規模自然災害から国民の生命と財産を守る防災・減災対策に、10年間で100兆円規模の事業を創出する集中投資を行う。公明党は既に、「防災・減災ニューディール」を推進するための「推進基本法案」を国会に提出しています。

第二は地域主権型道州制の導入です。

わが国の閉塞状況を打破するには、全国で一律、画一的な政策を進めてきた中央集権的な統治機構を変え、地域が直面する課題に柔軟に対応できる新しい統治機構を築く必要があります。国民的な議論を踏まえ、国―道州―基礎自治体の3層からなる道州制に移行し、住民本位の行政サービスを充実させるとともに、地域の潜在力を存分に引き出すことが不可欠です。

第三に、原発に依存しない、新しいエネルギー社会の創造です。

原発の新規着工を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロをめざします。再稼働に関しては国民が納得できる新しい安全基準に照らして厳格に判断すべきです。原発依存から脱却するため、「持続可能性」をキーワードに、省エネルギーの促進と再生可能エネルギーの開発・普及、そして火力発電の高効率化を柱とする新しい産業社会の構築を急がなければなりません。

省エネ・再エネを軸にした経済成長戦略の明確化をはじめ、原発廃炉に伴う立地地域の雇用や振興策、家庭や事業所の電気料金の上昇の抑制策といった課題に取り組みます。

公明党は、どこまでも「大衆とともに」の立党精神に立脚し、地域に根差し、国民生活に根差した政党として、これらの課題に真正面から挑戦し「日本再建」を担う決意です。

野田総理、あなたが今、下すべき決断は国民との約束である「近いうちに信を問う」ことです。「速やかに衆議院を解散し、国民の信を問う。それが日本再建への第一歩である」と強く訴え、私の質問を終わります。



質問に対する野田首相の答弁要旨

一、(閣僚の辞任について)遺憾だ。拉致事件が解決に至っていないことは真摯におわびする。任命権者の責任は自覚している。

一、(3党党首会談について)「近いうちに国民に信を問う」と申し上げた責任を重く受け止めている。条件が整えば、自分で判断したい。

一、(被災地の復興について)本格的な生活再建に向け、住宅再建は重要な課題だ。災害公営住宅の供給を進め、二重ローン問題への対応についてもガイドラインを策定し、支援していく。被災地での入札不調では、公共インフラにかかる自治体ごとの事業計画などを公表したい。

一、(今年度補正予算案について)特例公債法案の審議状況や経済対策の内容を踏まえた上で、その時期や内容を検討する。

一、(さい帯血の「iPS細胞」への研究利用について)関係機関との調整を加速させ、早期の適切な提供に政府としても努力する。

一、(外交・安保の課題について)日中関係は、さまざまな形で意思疎通を維持・強化する。竹島問題は国際司法裁判所への単独提訴も含め、適切な処置を検討する。オスプレイの運用は地元への最大限の配慮が大前提であり、住民の不安払拭に取り組む。

一、(軽減税率の導入について)公党間で建設的な議論が行えるよう政府・与党として最大限の努力をしていく。
  • 衆議院本会議で代表質問

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政治を前へ、年内解散を
3年間の失政明白 民主党政権は退場せよ


11月1日(木)、衆議院は本会議を開き、野田佳彦首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行いました。公明党を代表し質問をした私は、次期衆院選は民主党が政権の座から退場し「『日本再建』のスタートを切る選挙にしなければならない」とした上で、公明党は日本再建を担うと強調。東日本大震災の復興予算流用問題などを追及するとともに、再生医療の実用化に向けた支援などを求めました。

質問要旨、首相答弁要旨

復興予算流用問題 本質は政府の能力欠如
中小企業資金繰り 金融円滑化法再延長も
再生医療実用化へ 国挙げた支援体制必要
消費税率引き上げ 軽減税率の設計を急げ


【首相の政治姿勢】私は、野田政権が発足して以来、閣僚の交代が相次ぐ「ポストのたらい回しが常態化している」として、「政治主導も総崩れ、もはや政権の体をなしていない」と批判しました。

また、野田首相が約束した「近いうちに国民に信を問う」時期は「年内が常識。今こそ勇気ある決断で政治を大きく前に進める時だ」と迫りました。

野田首相は「条件が整えば、自分で判断したい」と述べるにとどめました。

【民主政権の失政】民主党政権3年間の失政として、(1)マニフェスト崩壊(2)外交・安全保障の迷走(3)震災の復旧・復興の遅れ(4)経済無策(5)水膨れ予算による財政悪化―を挙げ、「国民生活を台無しにし、国益を損ねた責任は大きい」と糾弾しました。

一方、「政治とカネ」の問題について、説明責任を果たさず、クリーンな政治を実現する対策も講じない民主党は「政治とカネの問題にけじめをつけられない政党」と断じました。

野田首相は「政治改革の議論が進むきっかけをつくることが大事」とかわしました。

【被災地復興】復興予算が本来の趣旨に沿わない事業に流用された問題について「本質は政府の予算執行能力の欠如にある」と訴え、「復興の基本方針」を都合よく解釈して流用を認めた政府・与党を批判。流用事業の予算組み替えや執行停止を迫ったのに対し、野田首相は「慎重に対応すべきもの」と述べるにとどまりました。

私は住宅再建へのきめ細かな支援のほか、早急ながれき処理、福島県内の着実な除染、短期間に集中している復興事業を計画的に発注する仕組みづくりなどを求めました。

【景気・経済、再生医療】私は「これ以上、民主党による『政治不況』で国民の生活が壊されるのを見過ごせない」と訴えた上で、これを改めるには「国民の民意を得た新政権が経済対策や予算編成を実行に移すことに尽きる」と力説。来年3月末に終了する中小企業金融円滑化法について「再延長の必要性を含めた検討が必要」と強調しました。

一方、「iPS細胞」(人工多能性幹細胞)による再生医療の実用化と新産業の創成に向け、「国家を挙げた支援体制を構築すべきだ」と主張。iPS細胞の理想的な材料とされる「さい帯血」を一刻も早く山中伸弥・京都大学教授らの研究に利用できるようにすべきだと求め、野田首相は「政府としても努力する」と答えました。

【外交・安全保障】尖閣諸島をめぐる問題について、海上保安庁の人員増や監視・警戒態勢の整備・強化などの必要性を指摘。一方、日中関係はアジアの平和と安定のために最も重要な二国間関係だとして「あらゆるパイプを通して関係改善を図る努力が必要だ」と訴えました。

【社会保障と税の一体改革】一体改革の完結に向け、低所得者対策の具体化や「社会保障制度改革国民会議」における具体像の明確化など残された課題を「3党合意に基づいて着実に進めるべきだ」と強調。

消費税率引き上げ時の低所得者対策については、公明党が実施した軽減税率の導入などを求める署名の数が約600万人に上ったことを挙げ、具体的な制度設計を急ぐよう求めた。野田首相は「公党間で建設的な議論が行えるよう政府・与党として最大限の努力をしていく」と応じました。

【日本再建】日本再建のためには(1)東日本大震災からの復興と福島の再生、「命を守る防災・減災対策」(2)地域主権型道州制の導入(3)原発に依存しない、新しいエネルギー社会の創造―が重要だと力説。「公明党はこれらの課題に真正面から挑戦し『日本再建』を担う決意だ」と訴えるとともに、「速やかに衆議院を解散し、国民の信を問う。それが日本再建への第一歩だ」と迫りました。
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11月3日(土)、宮城県気仙沼市で行われた三陸沿岸道路・歌津~本吉間の「即年着工」起工式に参加し、あいさつしました。

今回着工となる区間は宮城県気仙沼市本吉と南三陸町歌津を結ぶ、延長12キロメートルの区間。公明党は東日本大震災からの復興を進めるため三陸沿岸道路の早期整備を国に提言してきました。復興道路・復興支援道路の新規事業としては初の工事着工となる三陸沿岸道路当区間は、地域の産業・観光の活性化やいざという時に住民を守る“いのちの道路”としての役割などが期待されております。
あいさつの中で私は「復興を加速させるためのリーディングプロジェクトとして、一日も早い三陸道全区間の完成に全力を挙げる」と決意を述べました。
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11月4日(日)、宮城県石巻市で開催された、東日本大震災の防災集団移転促進事業の新市街地として整備する新蛇田地区の起工式に出席しました。

新蛇田地区は、三陸自動車道石巻河南ICの位置し、災害公営住宅と一戸建て住宅計1460戸分が計画され、3700人が移転する見通しとなっております。席上、亀山石巻市長ら関係者があいさつし、その後、鍬入れを行いました。
私は「災害に強いまちづくり」の構築に全力で取り組んでいくと強く決意しました。
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11月4日(日)夜、私は、北がわ一雄副代表(次期衆院選予定候補=大阪16区)と共に、堺市内で開催された時局講演会に出席し、絶大なる支援を呼び掛けました。

私は、「閣僚の顔ぶれがころころと代わるいいかげんな人事を見ても、民主党政権はすでに政権の体をなしていない」と糾弾。「速やかに衆議院を解散して国民の信を問うべきで、それが日本再建への第一歩だ」と強調しました。

また、首相自らが「近いうちに信を問う」と言った政権は、外国から交渉や合意の相手にされず、信を問うことをいたずらに引き延ばせば国益を損なうと指摘。さらに、10月の月例経済報告が3カ月連続で下方修正されるなど、景気後退の傾向が顕著な点にも触れ、「自民党とも年内解散に追い込む認識で一致している。(政党・政治家は)あくまでも国民の生活と国益を守るという一点に収れんして自らの行動を決すべきだ」と語った上で、「公明党は立党精神である大衆のための政治に徹していく」と訴えました。

北がわ副代表は、民主党政権について、「日米同盟という基軸を弱体化させたため、外交が大きく後退した。また、円高・デフレなどの経済課題に対しても有効な対策が講じられていない」と批判。「民主党政権への期待を裏切られた国民の間には失望感が広がっている。国民の信を得た新しい政権のもと、何としても日本を立て直さなければならない」と訴えました。