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プロフィール

井上義久

Author:井上義久
衆議院議員(公明党:比例区東北ブロック)富山県富山市出身
東北大学工学部金属加工学科卒業。

現役職:公明党幹事長

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 東日本大震災から6カ月が過ぎる中、一日も早い復旧・復興へ被災自治体の挑戦が続いています。町を、暮らしをどう立て直すのか。宮城県南三陸町の佐藤仁町長と復興への課題などについて対談をしました。公明新聞から転載し紹介します。

佐藤仁町長 「もう半年もたったのか」というのが、率直な感想です。避難所や2次避難所の確保、仮設住宅の建設と、とにかく無我夢中でした。その中で、予定より1カ月半ほど早く仮設住宅への入居が始まり、これには一安心しました。その半面、新たな課題も出てきています。「心のケア」や「孤独死」の問題にも、しっかり対応します。

井上義久 この半年で、がれきはだいぶ片付き、被災者の方々も少しは落ち着いた生活を送れるようになってきました。しかし、その多くが将来のめどが立たない中で暮らしています。こうした方々が生活再建への一歩を踏み出せるよう、具体的な手を打っていくことが一番の課題と自覚しています。

佐藤 今、最も頭を悩ませているのは、町民の収入の道をどう確保するかです。大震災で町の商工業の85%が壊滅してしまいました。現在、町では震災復興計画の策定が大詰めです。当然、その中には産業基盤の復旧も含まれていますが、国の財源の裏付けがないと、とても実現できません。

町に働く場がなければ、人々は町に戻ってこれない。作った計画が絵に描いた餅にならないよう、国政の場で支援制度の枠組みを早急に決めてほしい。

井上 南三陸町は水産業の町です。この水産業を復活させることで、それに関連するさまざまな雇用の場を生み出すことができます。そのためにも、漁業者の既存の借金の返済を凍結したり、公的機関が債権を買い取るなどの施策が必要です。

佐藤 そうすれば多くの人が町に定住でき、人が定住すれば商工業も成り立っていきます。

井上 人々が意欲を持って復旧・復興に取り組める仕組みが必要です。このため公明党は、数々の現地調査を踏まえ、政府に対し延べ16回、766項目の政策提言を行ってきました。6月には被災地復興の枠組みを定めた「復興基本法」が成立しています。

この法律には、公明党が主導した「復興庁」の設置や「復興特区」の創設などが盛り込まれました。このうち復興特区は、大胆な規制緩和を行うことで地域経済を活性化させる制度です。早急に具体化していきたい。

「人をつなぐ」が復興計画の理念

佐藤 何よりも町復興の一番のカギは「人」です。町民あっての自治体です。南三陸に生まれ育ち、歴史、文化を共に育んできた町民は、掛け替えのない宝です。こうした人々が笑顔で安心して住み続けられる“ふるさと”を創りたい。大震災で地域コミュニティーが少し壊れてしまいましたが、必ず新しい町として蘇らせる決意です。その意味で、現在策定中の復興計画は「人と人をつなぐ」計画といえます。

井上 多くの被災者は津波で肉親を失い自宅を流され、深い悲しみや心の傷を負いながらも、復興をめざし日々懸命に生きています。私はそうした時こそ、復興への道筋を照らしていくことが政治の大切な役割だと思っています。それが人々の希望になる。津波被害の農地を例に挙げると、この田んぼは今年は無理だけど、来年は田植えができますよと。そうなれば、人々は“次”を考えられます。

佐藤 その通りです。今、町では仮設の魚市場を建設中です。4年前に放流した秋サケが、この秋に帰ってくる、そのための準備です。8月上旬には、仮設の水産加工場も完成しました。一つ一つ課題を解決し、見通しを示していくことが町民の希望の光になります。

リアリティーのない政府の対応

井上 残念ながら、政府の復旧・復興への対応は本当に遅く、リアリティー(現実感)が全くありません。例えば、被災した宮城県石巻市の市立病院の再建をめぐり政府は当初、現在地に建てなければ補助金は出せないと。私たちも現地を視察しましたが、「地盤沈下した現地での再建は無理であり、補助金の制度を変えるべきだ」と強く主張してきました。結局、最近になり同じ場所でなくても認めることを、ようやく検討し始めたようです。いずれにしても感度が鈍過ぎる。だから、リアリティーがないと申し上げている。

佐藤 私どもの町にあった公共施設も同じです。しかし、こんなに地盤が沈下し、高潮で水が上がってくるような場所に建て直すなんてあり得ません。政府・民主党の議員も現場を見ているはずなんですが・・・。


佐藤 公明党の女性防災会議に期待

井上 どこまでも被災者の目線に立って



井上 公明党は今回の大震災を教訓に、女性の視点から防災対策を見直そうと党女性防災会議を設置しました。

例えば、子育て支援の仕組みが自治体にあっても、災害が起これば全く機能しなくなるからです。介護も同じです。災害時に、従来の仕組みをどう確保していくのかを考えないといけません。

佐藤 大事な視点です。今回、支援物資がたくさん届きましたが、乳児のミルクや女性用の生理用品などの物資は、なかなか入ってきませんでした。

井上 震災発生から1週間後、私は宮城県女川町の避難所に行きました。そこでは多くの子どもたちが避難し、おにぎりやインスタント食品などが配給されていました。その折、お母さん方からは「育ち盛りの子どもが毎日、インスタント食品では栄養面が心配です。子どもだけでも栄養補助食品を確保してほしい」との要望を受けました。

佐藤 女性でなければ気が付かないことは多々あります。例えば、水も電気もガスもない中で、赤ちゃんにミルクをどう飲ませてあげるかということです。その意味で、公明党の女性防災会議に大いに期待しています。

井上 今回の大震災を受けて、全国各地で防潮堤や避難経路の再点検などが議論されています。防災計画の全てを見直さざるを得ない状況です。

復旧・復興に向けて、被災者の思いに応えるのが政治の仕事です。徹底して現場に入り、被災者の目線から改革案を実現していきます。

佐藤 南三陸町は51年前にもチリ地震津波で壊滅的な打撃を受けました。われわれの先輩たちは、歯を食いしばり、汗と涙を流しながら町を復興させました。私たちにもできないはずがありません。道のりは遠いかもしれません。

しかし、南三陸町は、そして東北は必ず立ち上がります。公明党は震災発生後、早い時期から現地に入り、しっかりと実態を把握されてきました。復興には公明党の力が必要です。全力で頑張っていただきたいと願います。